流通情報

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畜産総合対策部

畜産情勢

牛肉

4等級以上はもう一段の上昇

 11月の成牛と畜頭数は、速報値で約10万2千頭(前年比98.4%)と前年を下回りました。

 11月の東京市場枝肉卸売価格は、速報値で和牛去勢A5が2928円(前年比103.4%)、和牛去勢A4が2647円(同105.2%)、和牛去勢A3が2458円(同 111.6%)、交雑牛B3が1672円(同117.3%)でした。

 農畜産業振興機構が公表した12月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が約4万7千頭(前年比101.9%)、交雑牛が約2万3千頭(同98.4%)、乳用種が約2万7千頭(同91.5%)で、全体では約9万8千頭(同98.0%)と見込んでいます。

 12月に入り、年末年始を見据えた手当が本格化することもあり、和牛の4等級以上は11月までの相場からもう一段の上昇が見込まれます。昨シーズンは初せりのタイミングが遅く、相場のピークが中旬以降にずれ込みましたが、今シーズンは初せりが1月7日であることもあり、相場のピークは12月上旬と想定されます。

豚肉

例年よりは安めで推移

 11月の全国と畜頭数は、速報値で約145万頭、前年比98.8%でした。

 11月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値で439円/㎏(前年比75.6%、前月比95.2%)となりました。末端での荷動きが好調になってきたものの、全国のと畜頭数が7万頭前後/日で安定してきたことや、輸入豚肉(チルド)も依然3万㌧/月台での入荷となっていること、市中での加工原料用の冷凍在庫を比較的潤沢であることから、前月より相場は低位で推移しました。

 農畜産業振興機構の12月出荷予測頭数は、約151万頭(前年比103.3%)です。

 12月も引き続き、鍋商材は好調に動くと見込まれ、バラを中心にスライス商材の荷動きが活発になると思われます。また、忘年会などのイベントシーズンでもあり、ロイン系も若干の動きが見込まれるものの、ウデ・モモを中心にしたスソ物の動きは弱いことが見込まれます。相場は年末に向けた手当てなどで、例年同様徐々に上向いてくると思われますが、出荷数量も潤沢かつ輸入豚肉(冷蔵)の入荷も安定していることから、ここ数カ月の流れを踏襲して相場は例年よりは安めで推移すると思われます。

 

鶏肉

もも630円、むね275円

 11月の平均相場は、もも肉588円/㎏(前月比18円上げ)・むね肉274円/㎏(同4円上げ)、正肉合計で862円/㎏と前月比22円上げも、前年比では62円の下げとなりました。一時的な冷え込みもありましたが比較的暖かい日が多かったためか、もも肉は、後半596円を記録するも軟調に終わりました。むね肉は、サラダチキン・鶏チャーシューなどの需要で堅調に推移しており、月初270円・月末276円ともちあい圏内となりました。

 日に日に気温の低下が見られ冬らしくなりつつあるものの、全体的には温暖な日が多く、鍋物需要の盛り上がりに欠けますが、もも肉は月後半すなわち年末への期待を込めて月平均630円、むね肉は引き続き量販店向けなどでの動きが良いことや、冷凍での引き合いも出て来たため月平均275円のもちあいと予測します。

 

鶏卵

全国的な供給増大で弱含みか

 11月の東京相場の月間平均は、Mサイズ基準値195円(前年比△33円)となりました。11月は需要期に入ったものの、秋口以降、供給量の増加が続いていることから需給にひっ迫感は生まれず、もちあいの状態が続きました。

 11月は平年よりも気温が高い日が多かったものの、業務筋は外食チェーンにおいて定番となった鍋物など季節メニューによる引き合いがあり、一定の需要の盛り上がりが見られました。また、テーブルエッグについても根強い節約志向を背景に堅調な荷動きが続いています。

 ただし、今後については、全国的な生産量増大により、東日本から西日本へのスポット出荷の動きが弱まったことや加工筋に積極的なスポット購入の動きがほとんど見られないことから、産地在庫は増大しており、弱含みの展開となることも考えられます。

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