畜産情勢
牛肉
和牛もちあい、交雑牛堅調
5月の成牛と畜頭数は、速報値で約7万7千頭(前年比93.4%)と前年を下回りました。
5月の東京市場枝肉卸売価格は、速報値でA5が2713円(前年比98.8%)、和牛去勢A4が2423円(同100.2%)、和牛去勢A3が2201円(同102.5%)、交雑牛B3が1642円(同108.3%)、乳牛去勢B2が1058円(同99.3%)でした。
農畜産業振興機構が公表した6月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が約3万5千頭(前年比101.6%)、交雑牛が約1万8千頭(同87.9%)、乳用種が約2万7千頭(同 99.4%)で、全体では約8万頭(同 97.5%)と見込んでいます。
6月は消費が落ち込む時期であることから、和牛はもちあいでの推移を見込みます。一方、交雑牛は比較的頭数も少ないとみられ、引き続き堅調な相場を維持していく見込みです。
豚肉
もちあいからやや上昇
5月の全国と畜頭数は、速報値で約128万頭、前年比92.8%でした。
5月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値で602円/㎏(前年比97.1%、前月比111.9%)となりました。
最大10連休となったGW期間終了後、気温が大きく乱高下したこや疾病の影響も相まって、5月の肉豚出荷頭数は、前年同月を下回る一段と引き締まった出荷状況となりました。他方、需要面では、例年この時期に活発化する輸入チルドポーク販促のあおりを受けて、国産冷蔵豚肉の荷動きはやや低調でした。こうしたことから、5月の相場は前年同月を少し下回る形となりました。
農畜産業振興機構発表の6月出荷予測頭数は、約123万頭(前年比96.3%)と予測しています。
6月は季節的な出荷頭数の減少に加え、春先から地域的に再燃しているPED、また東海エリアで引き続き散発している豚コレラなどの疾病の影響により、出荷は前月同様、引き締まるものと予測します。他方、需要面では不安定な国際情勢により、国産豚肉の販促を充実したり、国産豚肉へ切り替えていく動きがあることから、もちあいから、やや上昇するものと予測します。
鶏肉
もも肉下げ基調、むね肉もちあい
5月の平均相場は、もも肉583円/㎏(前月比18円下げ)・むね肉227円/㎏(同5円下げ)、正肉合計で810円/㎏と前月比23円下げで前年比でも57円の下げとなりました。もも肉は大型連休明け595円で始まり、多少の反発はあったものの下げ基調が続き月末570円となりました。むね肉は、加工向けで一定の需要はあるものの、量販店などの総菜向けや特売需要などが盛り上らず月初231円・月末227円とほぼもちあい圏内で推移しました。
6月は本格的な梅雨の時期となりますが、気象庁の1カ月予想では、降水量は平年より少なく、気温は平年並みかやや高いと予測されていることや、祝日がなく、イベントなども少ないため消費の伸びも期待できないと思われます。もも肉は下げ基調は変わらず月平均で565円、むね肉については加工やサラダ向けなどの需要もあることから、前月から引き続きもちあい圏内の230円と予測します。
鶏卵
需要面の好材料乏しく弱含みの展開
5月の東京相場の月間平均は、Mサイズ基準値173円(前年比+8円)となりました。中旬から下押しの展開となりましたが、大型連休の影響を見込んだ生産調整や改元による特需により、今年に入って初めて前年同月の平均相場を上回りました。
大型連休明けについては、生産調整による供給量減少や改元記念によるテーブルエッグを中心とした特売需要の影響で、産地在庫も低位だったため、もちあいの展開が続きました。
一方、5月中旬以降は、生産調整からの産卵復帰が本格化したことで供給量が増加したことに加え、業務筋、テーブルエッグともに荷動きは鈍化したことで全国的に下押しの展開となりました。
今後については、5月20日に発動した成鶏更新・空舎延長事業の影響で供給量も減少傾向に転じることが予測できますが、需要面について好材料が乏しいため、相場展開も弱含みの展開が予測されます。