畜産情勢
牛肉
和牛もちあい、交雑牛高値圏
6月の成牛と畜頭数は、速報値で約7万7千頭(前年比93.0%)と前年を下回りました。
6月の東京市場枝肉卸売価格は、速報値で和牛去勢A5が2721円(前年比98.1%)、和牛去勢A4が2405円(同100.5%)、和牛去勢A3が2210円(同103.1%)、交雑牛B3が1629円(同110.6%)、乳牛去勢B2が1065円(同99.2%)でした。
農畜産業振興機構が表した7月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が約4万5千頭(前年比105.3%)、交雑牛が約2万1千頭(同92.7%)、乳用種が約2万9千頭(同99.9%)で、全体では約9万6千頭(同100.7%)を見込んでいます。
消費が鈍くなる季節でもある6月の枝肉相場は、和牛は弱もちあいで推移しましたが、交雑牛は出荷頭数が少ないことから堅調な相場を維持しました。
7月の枝肉相場は、和牛は前年比で出荷頭数が多くなる予測から見てもちあい、出荷頭数が少ない傾向が続くとみられる交雑牛は現在の高値圏相場を維持していくものと予想します。
豚肉
もちあいから、やや下げ
6月の全国と畜頭数は、速報値で約122万頭、前年比95.8%でした。
6月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値で593円/㎏(前年比100.9%、前月比98.2%)となり、前年同月を上回る結果となりました。
農畜産業振興機構発表の7月出荷予測頭数は、約130万頭(前年比102.4%)と予測しています。
7月は、疾病や時節柄の気候による不安定な供給状況が継続するも、稼働日数が昨年同月と比べ1日多く、7月全体では前年同月を超える出荷が見込まれています。他方、需要面では、前年の高豚価を背景に、輸入チルドポークの販促が先月同様に継続されること、また下旬からは夏休みに入り、低級部位の動きも鈍化することが予測され、そのあおりを受ける形で国産豚肉の荷動きは、厳しい状況が続くものと予測します。これらのことから、枝肉相場はもちあいから、やや下げに転じると見ています。
鶏肉
もも肉下げ基調、むね肉は強もちあい
6月の平均相場は、もも肉561円/㎏(前月比22円下げ)・むね肉226円/㎏(同1円下げ)、正肉合計で787円/㎏と前月比23円下げで前年比でも49円の下げとなりました。
もも肉は月初めに570円台であったものの、その後下げ基調となり月末は550円となりました。むね肉は、加工向けには一定の需要はあるものの、量販店等の惣菜向けや特売需要などが盛り上らず月初226円・月末222円とほぼもちあい圏内で推移しました。
7月は、気象庁の1カ月予想では、気温は平年並みかやや高く、降水量も平年より多いと予測されています。またイベントなども少なく、下旬からは夏休みが控えているため、消費の伸びも期待できないと思われます。これらのことから、もも肉は下げ基調は変わらず月平均で550円、むね肉については、加工やサラダ向けなど加工筋の引き合いも増加してきたことから若干の強もちあい圏内の230円と予測します。
鶏卵
需要面は好材料に乏しい状況
6月の東京相場の月間平均は、Mサイズ基準値151円(前年比△14円)となりました。6月は上旬に下押しの展開となりましたが、中旬以降はもちあいが続きました。
6月上旬までは生産調整からの産卵復帰が本格化したことで、供給量が増加基調で推移したことに加え、大型連休の反動による節約志向の強まりもあり、業務筋を中心に荷動きは鈍化しました。また、加工筋のスポット購入の動きも限定的だったことから、産地在庫は増大傾向にあり相場展開も弱含みとなりました。中旬以降は、成鶏更新・空舎延長事業や生産調整の影響により、供給量が再び減少傾向に転じたことから需給バランスが均衡し、相場展開ももちあいが続きました。
今後については、生産調整の影響から一定期間は供給量も減少傾向が続くと考えられますが、夏季を迎えることから需要面は好材料に乏しい状況が続くことが予測されます。