流通情報

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畜産総合対策部

畜産情勢

牛肉

和牛は7月並み、交雑牛やや強含み

 8月の成牛と畜頭数は、速報値で約7万5千頭(前年比90.4%)と前年を下回りました。

 8月の東京市場枝肉卸売価格は速報値で、和牛去勢A5が2645円(前年比95.0%)、和牛去勢A4が2359円(同96.7%)、和牛去勢A3が2152円(同 97.5%)、交雑牛B3が1653円(同 107.2%)、乳牛去勢B2が1028円(同98.9%)でした。

 農畜産業振興機構が公表した9月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が約3万7千頭(前年比109.7%)、交雑牛が約1万9千頭(同98.6%)、乳用種が約2万7千頭(同 99.5%)で、全体では約8万5千頭(同 103.7%)と見込んでいます。

 8月の枝肉相場は、全体的に荷動きが鈍い中で、和牛はやや弱含みからもちあい、交雑牛は出荷頭数が少ないこともあり比較的堅調でした。

 9月の枝肉相場は、量販店による産地フェア開催が増えると見込まれ、これにより相場が締まってくることも期待されますが、ユーザー需要は活発であるとは言い難く、和牛は7月並み、交雑牛は8月との比較でやや強含みと予測します。

豚肉

秋口を目指して弱含み

 8月の全国と畜頭数は、速報値で約120万頭、前年同月比90.8%となっています。

 8月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値で558円/㎏(前年同月比90.6%、前月比99.3%)となりました。猛暑の8月は、梅雨寒を背景とした7月の早出し傾向から一変し、厳しい気候を背景に肉豚の出荷は全国的に大きく鈍る形となりました。今年の8月は、暦の兼ね合いでお盆時期での各食肉市場の休みが長く、お盆明けのタイミングで加工筋による枝肉の手当てが集中したことにより相場が上昇する場面も見られましたが、需要筋の販促が依然輸入物にシフトしていることもあり、加工筋の手当てが一段落した時点で下落する相場展開となりました。

 農畜産業振興機構発表の9月出荷予測頭数は、約132万頭(前年同月比104.8%)です。

 国内推定在庫が例年以上に多い20万㌧台を維持している状況下、需要筋における売り場も、9月いっぱいまでは輸入物を中心とした売り場構成になることが見込まれています。他方、供給面では疾病の影響や残暑厳しい気候を背景に、肉豚の出荷は鈍るものの、相場を押し上げるまでの効果は期待できず、昨年同月のような相場展開とはならないものの、相場は秋口を目指して弱含みで展開していくものと予測します。

 

鶏肉

もも肉545円、むね肉は235円

 8月の平均相場は、もも肉535円/㎏(前月比8円下げ)・むね肉225円/㎏(同3円上げ)、正肉合計で760円/2㎏と前月比5円下げで前年比でも42円の下げとなりました。例年、お盆期間に約1週間休載期間があることで月中で乱高下があるところ、ほぼもちあい圏内で推移しました。もも肉は月初め529円で始まり、月末は539円で結果10円高となりました。むね肉も、加工向けに一定の需要があり、月初222円・月末229円とじり高となりました。

 気象庁の1カ月予想では、9月の気温は全国的に平年並みかやや高いとしています。学校給食が始まり、3連休も2度あることからイベントなどが増え、需要増加による底上げが期待できるため、もも肉は月平均545円と予測します。むね肉についても、加工やサラダ向けなど加工筋の引き合いも堅調で若干上げ基調の月平均235円と予測します。

 

鶏卵

強含みの展開

 8月の東京相場の月間平均は、Mサイズ基準値150円(前年比△22円)となりました。大玉サイズは、供給量が減少したことで強含みの展開となりましたが、Mサイズに関してはもちあいの展開が続きました。

 8月は全国的に気温が高い日が続いたことから、大玉に関しては需給がし、大玉高の展開となりました。中玉以下のサイズに関しては、お盆期間において問屋筋などが休業することから、産地在庫が増大する懸念もありましたが、成鶏更新・空舎延長事業や誘導換羽などの生産調整の影響によって供給量が減少し、もちあいの展開が続きました。

 今後については、鶏卵を使用した大手外食チェーンのプロモーションや学校給食の再開によって問屋筋の復調が予想されるなど、需要面に好材料が多いことから強含みの展開が考えられます。ただし、成鶏更新・空舎延長事業が停止したことで供給量の増加傾向が強くなれば、今後の相場展開に影響を与えることも推測できます。

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