流通情報

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畜産総合対策部

畜産情勢

牛肉

少しずつ堅調さ増す

 9月の成牛と畜頭数は、速報値で約8万頭(前年比98.4%)と前年を下回りました。

 9月の東京市場枝肉卸売価格は速報値で、和牛去勢A5が2718円(前年比96.5%)、和牛去勢A4が2405円(同95.9%)、和牛去勢A3が2160円(同95.6%)、交雑牛B3が1612円(同101.8%)、乳牛去勢B2が976円(同93.9%)でした。

 農畜産業振興機構が公表した10月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が約4万頭(前年比103.1%)、交雑牛が約2万1千頭(同99.1%)、乳用種が約3万頭(同98.1%)で、全体では約9万3千頭(同101.1%)と見込んでいます。

 9月の枝肉相場は、特に和牛は市中在庫の多さから月初はやや軟調な展開とみられていましたが、和牛去勢A5、A4は月間平均で8月を上回る水準に戻しています。

 10月の枝肉相場は、年末年始販売用の枝肉手当(凍結用)も始まる時期であり、少しずつ堅調さを増していく展開になるものと想定されます。

豚肉

需要は底堅く推移

 9月の全国と畜頭数は、速報値で約126万頭、前年同月比106.6%です。

 9月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値で554円/㎏(前年同月比108.0%、前月比98.8%)でした。

 3連休が2回となった今年9月は、比較的涼しい気候を背景に、需要筋による棚換えや、販促の一部が国産豚肉にシフトしたこともあり、需要面では久しぶりに底堅い状況となりました。こうした気候を背景に肉豚の出荷も堅調な動きをみせたものの、9月9日に関東へ上陸した台風15号は、相場にも影響を与え、当初の予想を超える相場展開となりました。また、13日に関東でも初めて豚コレラの発生が確認され、そのことが相場にどう影響を与えるのか注目されましたが、影響は限定的な形となりました。

 農畜産業振興機構発表の10月出荷予測頭数は、約142万頭(前年同月比94.6%)です。

 10月は供給面では涼しい気候を背景に、堅調な肉豚出荷が見込まれる一方、需要面では需要筋によるスライス物を中心とした売り場の棚換えと、国産豚肉へシフトした販促に支えられ、国産豚の需要は底堅く推移していくものと見込まれることから、それになりに需給バランスが取れる状況になるのではないかと予測します。

鶏肉

もも肉560円、むね肉250円

 9月の平均相場は、もも肉544円/㎏(前月比+9円)、むね肉235円/㎏(同+10円)、正肉合計で779円/2㎏と前月比で19円上回りましたが、前年比では36円下回りました。もも肉は月初め538円で始まり、一時550円台を記録するも月中乱高下があり、月末は548円で結果10円高となりました。むね肉も、量販店などの特売用や加工向けに一定需要があり、月初228円、月末245円とじり高となりました。

 気象庁の1カ月予報では、10月の気温は平年より高い傾向が続き、季節の歩みはゆっくり進むとしていますが、イベント・行楽などで需要増加も期待されるため、もも肉は月平均560円と予測します。むね肉についても、引き続き量販店などでの特売需要やサラダチキン向けなどの加工筋の引き合いも堅調で上げ基調の月平均250円と予測します。

 

鶏卵

台風の影響に注視

 9月の東京相場の月間平均は、Mサイズ基準値179円(前年比△5円)となりました。台風15号による供給減の影響もあり、上伸の展開が続き9月末の時点で昨年同時期比+10円の展開となりました。

 9月は、大手外食チェーンのプロモーションや学校給食の再開による問屋筋の復調など引き合いが強まる中、台風15号によるによって突発的に供給量が減少したことで、需給バランスは急速にしました。

 さらに停電による熱死や意図しない強制換羽などによって、影響が長引いたことで供給不足の状況が続くこととなりました。

 今後については、一定期間は台風罹災の影響により供給量は少なめで推移することが推測されますが、被災地において生産量が回復すれば需給バランスは均衡が保たれることが予想できます。

 需要面については、9月の供給不足によって流通在庫が減少したと考えられる加工筋の動きが価格動向に影響を与えることが予測されます。

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