特集

特集

【令和2年度 各事業の主な取り組み】最終回 総合エネルギー事業/くらし支援事業/営業開発/フードマーケット事業/輸出事業

総合エネルギー部

自家消費型太陽光発電設備でPPAモデル実証

 ㈱エーコープ関東の協力の下、群馬県内JAファーマーズ3店舗に太陽光発電設備を設置(3月末完工)し、自家消費型太陽光発電設備PPAモデル実証に取り組みました。当部が機器選定、設備所有、維持費負担し、JAファーマーズ店舗へ太陽光発電設備で発電した再生可能エネルギー(再エネ)電力を販売します。100%再エネである太陽光発電を発電場所でそのまま利用するため送電・変換ロスが少なく、地球温暖化ガス排出量削減効果がより大きくなります。導入者に初期投資や維持費等の負担がないため、迅速に再エネ利用を拡大できる効果があります。実証モデルには蓄電池システムも導入し効果を検証します。

※PPA Power Purchase Agreementの略。発電設備を購入(またはリース)する のではなく、第三者が保有し電力需要家に売電する電力供給契約のこと。

屋根上部に太陽光発電設備を設置
 

くらし支援事業部

農泊事業推進とファーマーズ型店舗の出店

 地域活性課は令和元年度より農泊事業に取り組んでいます。進めるポイントは①空き家を宿泊施設にリノベーションし、組合員や地域JA(家主不在型)が運営、②JA施設や農業体験と連携することでの地域活性化、経済的効果の2点です。農林中央金庫、㈱農協観光、(社)日本ファームステイ協会と連携し、初心者でも事業が始められる環境を整えています。令和3年度には運営モデル地域での事業開始を予定している他、ポータルサイト「農泊net」で宿泊予約ができるようになりました。

 店舗事業課は農産物直売所とAコープ店舗を一体化した「ファーマーズ型店舗」の出店を進めています。本年度は群馬・長野・広島・佐賀で4店舗を出店し、全国で32店舗展開しています。また、昨年12月には「全国Aコープ協同機構SDGs対応方針」を策定しました。これまで以上に環境対策・社会貢献に取り組み、農家組合員や消費者、取引先から信頼されるお店づくりを進めます。

Aコープファーマーズみやうち(広島)
 

 営業開発部

「ニッポンエール」のブランディングと商品開発

 全農グループの商品のブランディングを進めるため、昨年1月、新たな商品ブランドとして「ニッポンエール」を商標登録しました。ニッポンエール商品は、生協や量販店をはじめ、JR東日本のエキナカ店舗New Daysやファミリーマートなどのコンビニにも採用され、商品の一つである「加賀野菜チップス」はセブン-イレブンの東東京・北陸地区でヒット商品となっています。また、海外でも商標登録を進め、中国、香港、シンガポール、欧州連合(EU)では登録が完了。香港ではCity Superや香港MUJIで販売を始めています。台湾、韓国、タイ、イギリスでも商標を出願中です。

 ニッポンエール商品は、「全農グループMD部会」における令和2年度の商品開発数68品のうち59品を占めており、今後は伊藤園と共同で「ニッポンエールプロジェクト」を立ち上げ、商品売上の一部を産地に還元することで産地貢献にも取り組みます。

ニッポンエール商品
   

フードマーケット事業部

コロナ禍の中、eコマース・飲食店舗でさまざまな取り組み

 eコマース事業では、外食需要減などによる農畜産物滞留を解消したい産地ニーズと、消費者側の旺盛な巣ごもり需要をマッチングさせられるよう、県本部・各事業部と連携し野菜BOXの出品促進や発送期間の短縮、行政支援策の活用などにより取扱額拡大や廃棄回避に貢献することができました。

 もう一つの柱である飲食店舗事業運営では、感染防止対策、メニュー更新、各種フェアの開催など、このコロナ禍の中で国産農畜産物をできるだけ多くのお客さまに食べていただけるよう、さまざまな工夫を積み重ねています。さらに、令和2年5月には札幌、6月には佐賀への出店、今年4月にはJR熊本駅、JR博多駅の両ビル内への新規出店を進めるなど、地域の農畜産物のおいしさを消費者へアピールし続けていきます。

みのるダイニング札幌ステラプレイス
 

輸出対策部

全農グループ各海外拠点の機能発揮

 コロナ禍でも、国産農畜産物の輸出拡大に向け、新拠点設立や海外小売・卸等との業務提携を進めています。大消費市場である中国に昨年8月、全農(上海)貿易有限公司を新設し、将来の中国の輸入規制緩和を見据え、外食・量販・卸等との事前協議を進めています。また、香港拠点では昨年11月、香港食品大手の四洲集団有限公司と連携し、日本米炊飯センターを稼働させ、プレミア感あるオフィス宅配弁当事業を開始し、さらに学校給食での日本産米提供も視野に入れています。米国拠点では、外食需要の激減した和牛をeコマース企業などを活用して販売拡大、前年実績を大幅に上回る実績を確保しています。また、アジアを中心にスピーディーな新規開店を進めるPPIH(ドンキ・ホーテ)グループとは、全農グループ海外各拠点が連携し、各店向け輸出量を急速に伸ばしています。

 新年度4月には、「第1回輸出事業委員会」を立ち上げ、JAグループ一丸となった国産農畜産物のさらなる輸出拡大に努めていきます。

米国での食肉包装の様子

カテゴリー最新記事

ページトップへ