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営農・技術センター

岡山県で農業者向け青空講習会を開催

土壌診断で施肥改善へ意識改革目指す

 全農は、農業者3団体(日本農業法人協会、全国農協青年組織協議会、全国農業青年クラブ連絡協議会)とともに「生産資材費低減に向けた資材事業研究会」を立ち上げ、営農を支援しています。農業者団体からは、最新情報の伝達や人材育成機能を期待する声が多く出されています。これを受け、昨年11月に埼玉県川越市で「土壌」をテーマにした講習会を開催しました。そして5月31日、全国農業青年クラブ連絡協議会の森安晃司監事の圃場(ほじょう)(岡山県備前市)で地元農業者15人を対象に青空講習会を開きました。

森安氏の圃場の断面を観察する参加者
水田にハウスを建てて10数年経過した土壌断面

 土壌の状態を知り、生産性の向上につなげる

 深さ60㌢ほどの土壌断面からは、ハウスを建てて10数年経過したにも関わらず水田土壌の特徴が観察されました。約10㌢の作土より下は硬く、栽培中の小松菜の根もそれ以下へは伸長できない状態でした。関東営農資材事業所の金子技術主管は「深耕で1㌢でも作土を深くし、腐植を補給して団粒構造を作る」と生産性を高める土づくりと生産基盤の維持について力説しました。

土壌診断を施肥改善に生かす

 参加した農業者の土壌分析からはEC、リン酸、硝酸態窒素が高いことが分かりました。農業者からは「リン酸の減肥に取り組みたい。過去の分析結果と照らし合わせ、リン酸の減り具合を確認していく」などの気付きや施肥改善に向けた取り組み、意識改革につながりました。

 また、自ら土壌分析を行う森安氏は「土壌の状態が分からないと不安で肥料を多く入れてしまいがち。数値を知ることで適切な施肥ができる」と土壌診断に基づく施肥改善の重要性を訴えました。

 講習会後のアンケートでは「自分の畑を知ることからもう一度始めたい」「自分で診断できるようにしたい」などの決意が述べられており、本講習会が土壌を見詰め直すきっかけになりました。今後もこのような講習会を水平展開し、農業者の自発的な施肥改善を支援します。

 全農は、土壌診断を活用した施肥改善を農業者とともに実践することにより、手取り最大化の実現を目指します。

森安氏による馬ふん堆肥を使った土づくりの紹介
地域土壌の特徴についての説明

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