県本部だより

県本部だより
滋賀県

地下水位制御システム導入営農モデルの確立目指す

モデル圃場(ほじょう)を研修の場にも

 滋賀県本部は「農家組合員の所得増大」に向けた取り組みの一つ、「生産から販売までのトータルコスト低減メニュー」の中で、今年度から地下水位制御システム「FOEAS」の導入に取り組みました。県内2カ所にモデル圃場を設け検証し、営農モデルの確立を目指します。この取り組みを広くPRするとともに、JAや県本部職員の営農に関する研修の場としても活用したい考えです。

水田をフル活用し麦や大豆・野菜拡大

 稲作中心の滋賀県では、経営安定化を図るため稲作だけでなく麦や大豆・野菜などの生産にも力を入れ、水田をフル活用する必要があると考えています。それには転換畑での湿害や干ばつが大きな課題となります。

 そこで、圃場内の地下水位をコントロールすることが出来る地下水位制御システム「FOEAS」の導入が有効と考えました。

 FOEASとは、地中に埋設した暗渠管と補助孔、水位制御器を通じて圃場内の地下水位をコントロールすることにより、乾燥時には地下灌漑、大雨時には地下排水を行って、湿害や干ばつのリスクや豪雨による被害を最小限に抑えることができます。さらに、作物の生育に合わせて適期に最適な土壌水分にすることが可能で、発芽ぞろえの向上、苗活着促進、品質・等級の向上、収量増加などが期待されます。

平成32年度まで 2カ所で実証試験

 「FOEAS」を導入するため「営農モデル圃場」を設置し、麦・大豆・野菜の品質・生産性向上と農業所得向上を図ることを目的とした実証試験(平成29~32年度)をスタートしました。

 設置したモデル圃場の1カ所では60㌃でキャベツを定植し、その後も畑作物の作付けを計画しています。もう1カ所は62㌃で小麦栽培の実証に取り組み、その後はキャベツを作付ける予定です。

 設置した営農モデル圃場では、作物の単収や農業所得、資材費なども比較調査し、検証していきます。

東近江市で開かれたFOEASの現地見学会
モデル圃場設置を伝える記事(平成29年10月1日付日本農業新聞近畿版)

カテゴリー最新記事

ページトップへ