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耕種総合対策部

施設園芸 「ゆめファーム 全農パッケージ」を普及へ

人材育成・温室建設・ 栽培支援コンサルを一体的に提供
  担い手の手取り最大化、 国内生産量・面積の維持拡大に貢献

 全農は、「ゆめファーム全農」3圃場(ほじょう)での成果をもとに、2021年12月に「ゆめファーム全農パッケージ」をとりまとめました。フルスペック温室・ロックウール養液栽培を共通仕様とし、汎用(はんよう)性が高く高収量が可能なパッケージとして、施設園芸農家の手取り最大化と国産野菜の生産維持・拡大を目指しています。今回は、パッケージ作成に至った経過とその内容について紹介します。


 
「ゆめファーム全農」のハウスと遠隔指導システム
 
ゆめファーム全農の取り組み

 1999年から2018年までの統計データを見ると、園芸用施設設置面積では約20%、経営体戸数では約40%の減少が進んでおり、単位面積当たりの収量向上や面積拡大による生産性向上の必要性が高まっています。「ゆめファーム全農」は、園芸用ハウス資材の単純な供給事業から、栽培技術を伴ったパッケージ提供への転換を目指し、2014年にスタートしたプロジェクトです。

 14年には栃木でトマト、17年には高知でナス、19年には佐賀でキュウリの栽培を始め、これまでに3圃場の全てで通常栽培の2〜4倍に当たる収量を達成できました。

 ゆめファーム全農での栽培実証を通して、(1)人材育成(2)温室建設(施主代行)(3)栽培支援コンサル(栽培技術)——の三つに関するノウハウを確立し、それらをパッケージとして一体的に提供していくのが「ゆめファーム全農パッケージ」です。

「ゆめファーム 全農パッケージ」について

 「ゆめファーム全農パッケージ」で提供する三つの内容は次の通りになります。(1)人材育成は、ゆめファーム全農で圃場作業、環境制御機器の操作、労務管理、座学を行い、実習を通して圃場運営に必要な知識と技術を網羅的に学習します(2)温室建設(施主代行)は、共通標準仕様書(高収量が可能なフルスペック温室・ロックウール養液栽培を基本とした温室)に基づき、基本設計書の作成、業者選定、施工管理、アフターフォローまでを一体的に提供します(3)栽培支援コンサルは、営農開始後に直面するさまざまな課題に対応できるよう、現地支援やコックピットによる遠隔栽培指導を通して、担い手生産者の栽培をサポートしていきます。

 この(1)人材育成(2)温室建設(3)栽培支援コンサル——を一体的に提供していくことにより、担い手生産者の手取り最大化と、日本の施設園芸の発展、国内生産量・栽培面積の維持拡大に貢献していきます。

「施設園芸・植物工場展」に 出展・PR

 7月20〜22日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された「施設園芸・植物工場展(GPEC)2022」は、2年に1度開催される施設園芸・植物工場分野の専門展示会です。耕種総合対策部施設園芸企画室の吉田征司室長は、ゆめファーム全農とちぎ、こうち、SAGAの取り組みと、実証で得た成果をゆめファーム全農パッケージとして普及する今後の展望について講演しました。

 ブース出展では、全農グリーンリソース(株)と協力して、「張らせろ『根』!まわせ『水』!栽培方法の最適化にとことん付き合います」をスローガンとして、「ゆめファーム全農パッケージ」で共通仕様としているGrodanロックウールの展示や、Ridder製の環境・潅水(かんすい)制御システムの紹介を行いました。また、ゆめファーム全農パッケージの導入希望者の個別相談も行い、盛況のうちに終えることができました。

 施設園芸企画室では、今後もゆめファーム全農パッケージの普及を通して、担い手生産者の手取り最大化や、日本の施設園芸の発展に向けて尽力していきます。「ゆめファーム全農パッケージ」に興味を持たれた方は、下記までお問い合わせください。

問い合わせ先:JA全農 耕種総合対策部 施設園芸企画室
TEL:03(6271)8269
担当:田代

「施設園芸・植物工場展2022」のゆめファーム出展ブース
「施設園芸・植物工場展2022」で講演する吉田室長

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