特集

特集
耕種総合対策部

手取り最大化と国産野菜の生産維持・拡大を目指して

「ゆめファーム全農プロジェクト」の成果とロックウール養液栽培の特徴

 「ゆめファーム全農プロジェクト」は自ら実証した栽培技術と園芸用ハウス資材をパッケージ提供することを目指し、2014年にスタートしたプロジェクトです。環境制御技術などの最先端技術を導入した高軒高・高機能ハウスを全農自らが設置し、安定・多収栽培技術の実証に取り組んでいます。


 ゆめファーム全農とちぎでは、トマトで10a当たり40tと慣行の約2倍、ゆめファーム全農こうちではナスで同35tと全国平均の約2.6倍、ゆめファーム全農SAGAではキュウリで同56tと全国平均の約4倍の収量を記録しました。

 これらの成果をもとに、栽培品目に対する汎用性が高く、高収量が達成可能なフルスペック温室とロックウール養液栽培を共通仕様とし、(1)人材育成(2)温室建設(施主代行)(3)栽培支援コンサル――の三つを軸に、温室建設から栽培サポートまで一気通貫した「ゆめファーム全農パッケージ」を提供することが可能となりました。直近では佐賀県内で2件の導入実績があり、今後も施設園芸生産者の手取り最大化と国産野菜の生産維持・拡大のため、普及を進めていきます。

 同パッケージでは、栽培する場所が異なっても根圏環境の再現性と栽培品目に対する汎用性が高いロックウール培地を使用しています。ロックウールとは玄武岩を繊維状にした無機成分からなる工業製品であるため、品質が一定で肥料成分や水分量のコントロールが容易な製品です。このロックウール培地を使用することで、根圏※環境(水分量、pH、EC、温度など)を数値的に把握することが可能となり、植物の生育にとって理想的な栽培ができるようになります。

※根の近傍:養分、水分の吸収や炭酸ガスの生成、微生物の活動などが行われる植物の生育に重要な土壌空間

 トマトの栽培実証を行っている、ゆめファーム全農とちぎでは、22年8月から温室の基本構造はそのままに、土耕栽培からロックウール養液栽培が可能な施設へ改修し、Ridder社の自動かん水装置を導入して養液栽培を開始しました。これまでに土耕栽培を通じて蓄積してきた高収量を達成するための管理手法を生かし、養液栽培に合った品種・台木・仕立て方・肥料・かん水・環境制御・作業管理などを検証しています。

 同じ農場と品種であっても、土耕栽培と養液栽培とでは生育が大きく異なります。今後の運営を通して、ロックウール養液栽培における基本的な栽培管理項目をスケジュール化し、栽培体系を確立していきます。さらに得られたデータ・ノウハウを蓄積・分析し、手取り最大化へ向けた実証に取り組んでいきます。

高軒高・高機能ハウスでのトマト栽培
トマト栽培でのロックウール培地
Ridder社のかん水装置

カテゴリー最新記事

ページトップへ