大豆新品種「ちくしB5号」(ふくよかまる)を導入
安定生産・安定供給に応えて25年産で全面転換へ
福岡県の大豆生産は、天候不良などの影響で従来10a当たり200kgだった県平均単収が年々低下しています。県は大豆の生産力向上に向けて、2017年から現地試験を各JAで実施。同時に、実需者との懇談会で意見交換を実施し、実需者から安定生産・安定供給に対して強い要望を受けました。そこで、県は従来の栽培品種「フクユタカ」から「ちくしB5号」(名称:ふくよかまる)への全面転換を決定。22年産から本格的な導入を開始しており25年産で全面転換が完了します。
倒伏に強く収量も向上
新品種「ちくしB5号」の主な特徴は、(1)播種(はしゅ)の適期が6月下旬から7月20日までと長い(2)草丈が低く台風の影響による倒伏に強い(3)従来品種「フクユタカ」と比較して粒が大きく、平均収量8%増――の3点です。
県は新品種「ちくしB5号」を「ふくよかまる」の名称で商標登録。23年2月には実需者、生産者、JAグループ職員、報道関係者を招いたお披露目会が開催され、福岡県の服部誠太郎知事より公表されました。お披露目会では「ふくよかまる」で製造された豆腐、豆乳、納豆の試食もあり、参加者は大豆本来の甘いまろやかな味わいを楽しみました。
認知度向上へPRも積極的に
「ふくよかまる」の由来は、大きく元気に「ふくよか」に育ち、皆さまに「福」を届けたい――との思いと、大豆の「まるい」形を表しています。ロゴマークは、緑のさやから成熟が進む過程、収穫された金色の大豆の粒をイメージ。
実需者からは、豆腐の食味評価について「食感はやわらかく、こくと甘みがある」と従来品より優れた評価を受けました。
23年産は県内作付けの約半分4000haで「ふくよかまる」を作付けており、単収は200kgを超える見込みです。
今後も「ふくよかまる」の認知度向上に向け、節分祭での豆まき参加などでPRを実施し、新品種導入をきっかけとした県産大豆のさらなる高品質・安定生産を目指していきます。