持続可能な事業体制の確立へ
農機事業を一体運営、果実袋工場を拡大
鳥取県本部は、農機事業の一体運営や果実袋工場の事業拡大など、持続可能な事業体制の整備・運営改善に取り組んでいます。農機事業一体運営は、2023年7月から開始しました。また、果実袋の製造力強化にも取り組んでおり、23年には民間の果実袋製造会社の事業を引き継ぎ、高品質な袋を安定的に製造するために新たな袋製造機も導入しました。
JA子会社と農機事業分業制 専門性を生かし効率的運営


深刻化する人材不足や技術継承、収支改善などの課題に対応するため、JA鳥取中央の子会社である株式会社JA中央サービスの農機部門と一体となり、分業制による専門性を生かした効率的な運営や質の高いサービスの提供に努めています。また、持続可能な農機事業基盤の確立に向けて取り組んでいます。
一体運営後、商品知識や修理・整備技術の向上、機械の大型化や高性能化に対応できる人材育成を目的として、各種研修会・講習会を企画・実施しています。また、コンプライアンス意識のさらなる醸成のための研修会や、在庫管理、債権管理、接客対応など担当者向けの研修会も実施しています。
今後は、営業推進・修理整備の担当制導入や、県内統一の展示会の実施などを予定しています。組合員のニーズを的確に把握し、きめ細かな対応を行うことで、〝組合員にとってなくてはならない存在〟となることを目指しています。
「安心して使える果実袋」新製品を開発、製造力強化
鳥取県本部の果実袋工場は、生産者の「安心して使える果実袋を我々の手で」という願いによって設立されました。本工場で生産された果実袋は、全国の果樹生産地で広く使用されています。
果実袋は果実を病虫害から守り、生育促進や色ぞろいを良くするための栽培資材であり、栽培の現場で欠かすことのできない存在です。特に鳥取県の特産品である二十世紀梨の美しい外観を仕上げるためには必須の資材です。23年には、民間の事業を引き継いで、高品質な果実袋を安定的に製造するために新たな袋製造機も導入しました。この取り組みにより、製造速度の向上やロスの減少を図っています。
また、原材料価格の上昇や栽培面積の減少に伴う製造数量減少などのコスト増加に対応するため、低コスト袋の研究開発や既存製品の改良にも取り組んでいます。さらに、新製品の開発や製造力の強化を通じて、鳥取県内外の梨や果実の安定生産に貢献できるよう努めています。

