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経営企画部

「グループ会社代表者セミナー」を開催

力を結集して活力ある事業展開を

 全農は3月7日、「グループ会社代表者セミナー」を開催し、会社代表者や全農役職員ら約240人が参加しました。昨年に続き、全国約130カ所をオンライン会議システムでつないで開きました。


 セミナーの開会にあたり、全農の折原敬一経営管理委員会会長は「2030年の全農グループの目指す姿である『なくてはならない全農であり続ける』の実現に向け、六つの全体戦略を着実に実施し、全農とグループ会社の力を結集して、活力ある全農グループを創っていく」と述べました。

 理事長講話では、野口栄理事長が全農の事業計画について、全農グループで新しい事業領域への挑戦が不可欠であることを訴え、経営企画部の市瀬一貴部長は「次期中期計画策定における事業環境分析」と題し、次期中期計画の策定に向け、日本農業を取り巻く事業環境と全農グループの内部環境を説明しました。

開会あいさつをする折原会長
事業計画を説明する野口理事長
 

 後半は、グループ会社の情勢報告として、全農物流(株)の寺田純一代表取締役社長から、同社の物流2024年問題への取り組みや、問題に対する政府の強い姿勢について講演をいただきました。

 また、全農との事業連携に取り組む(株)伊藤園の神谷茂取締役専務、志田光正マーケティング本部長、中嶋和彦国際本部長を招き、商品を通じて国産農畜産物の産地応援をめざす「ニッポンエールプロジェクト」の取り組みと、グローバルブランド化を目指す「お〜いお茶」の海外事業展開について、大変熱のこもった講演をいただきました。

 最後に、全農は組合員・会員JAに期待される総合力の発揮に向け、グループ内外での事業連携を加速することを確認し、盛況のうちに閉会となりました。

事業環境などを説明する市瀬部長
事業連携などを説明する(株)伊藤園の神谷専務

 

外部講師による講演

「物流2024年問題への取り組みについて」

全農物流(株) 代表取締役社長 寺田純 一 氏

 物流は国民生活や経済を支える社会インフラですが、低賃金・長時間労働による慢性的な人手不足の状況にありました。これに対して政府は、時間外労働の制限や、政策パッケージ・ガイドラインの策定など、トラックドライバーの労働条件改善に向け、法制化を含めた規制措置の導入などを目指しています。一方でドライバー1人当たりが運べる量は減少し、物流の停滞が懸念される「2024年問題」にも直面しています。

 このような状況で、運送事業者である当社は、全農との取り組みを強化し、主要産地から消費地向け専用規格パレットの推進、全農統一フレコンの比率拡大、JR貨物と提携した貨物列車「全農号」を利用したモーダルシフト、トラック予約システムによる時間管理を通じたドライバーの待ち時間削減と作業効率化、他企業とのラウンド輸送連携、中継輸送事業などに取り組み、今後も継続していきます。

 生産者の皆さんが作った農畜産物をしっかりお届けすることが当社の使命ですが、トラックドライバーの長時間労働の改善は、運送事業者だけでは困難です。荷主を含めた関係者全てが課題を共有し、同じ目線で取り組むことが必要であると考えています。


「全国の産地を応援“ニッポンエールプロジェクト”」

(株)伊藤園 マーケティング本部 本部長 志田光正 氏

 伊藤園は1964年8月の創業から61年目を迎え、22年度に売り上げ4316億円、営業利益195億円を達成しています。創業当初は茶葉から始まり、80年ごろに缶の緑茶、90年ごろにペットボトルの緑茶を開発し、実績を上げてきました。

 商品開発では、全国3500人の営業マンの意見を取り入れ、生産者と協力したお茶づくりから、販売、資源循環までを見据えた「垂直統合型ビジネスモデル」を展開しています。

 当社はニッポンエールプロジェクトに参画し、生産者と消費者をつなぐメーカーの役割を重視しています。プロジェクトでは商品開発とPRに力を入れ、全農・産地・メーカーの「三方よし」のバリューサイクルを目指す中、現在25アイテムを展開し、全国の産地の皆さまと協力してお客さまに喜ばれる商品づくりをすすめています。

 また、昨年はニッポンエールプロジェクト協議会が発足し、産地と連携した取り組みを始めています。今後は、ストーリーと共感を生み出す商品開発に努め、お客さまと「感情を共有できる時間」を持つことを目指します。


「グローバルブランドを目指すお〜いお茶」

(株)伊藤園 国際本部 本部長 中嶋和彦 氏

 伊藤園は約20年間、お茶の輸出に取り組んでまいりました。今回は、今までの失敗の中から学んだことをお話しします。

 当社は01年に「お〜いお茶」で海外進出しました。その後10年以上苦戦しましたが、2015年に全面リニューアルし、竹柄・ロゴ・中身は統一したうえで、伝えるべきメッセージや情報を国別に変更。そのメッセージを受け取った現地の若者から率直な意見をSNSで発信してもらうなどして、海外販売を伸ばすことができました。

 現在は緑茶と抹茶に特化した「ITOENとお~いお茶のグローバルブランド化戦略」に取り組んでいます。グローバルマーケティングを意識し、国別の法令や規制に対応するなど、各国のチャネルに沿った取り組みをしています。

 当社は「世界のティーカンパニー」を目指し、海外展開では高品質、利便性、安全性、健康性などの価値を提供し、各国のお客さまニーズを満たすことを重視しています。その中で国内産地間やメーカー間の競争ではなく、「ONE TEAM」「TEAM JAPAN」として取り組みを進めていく考えです。

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