県本部だより
京都府本部
2019年3月4日(vol.875)
安全・安心の「宇治茶」 ブランド茶を世界へ発信
輸出ニーズに対応する取り組みにも力
京都では古くからお茶の栽培が盛んで、日本を代表するブランド茶である「宇治茶」が生産されてきました。お茶は健康飲料として古くから飲まれており、特に主成分の「カテキン」にはさまざまな効果・効能があり、近年の世界的な日本茶ブームは輸出やインバウンド需要の追い風になっています。
京都府内で唯一の茶市場を運営
京都府本部は、京都府内で唯一の茶市場を運営しています。見本茶による入札方式で販売会を開いており、京都府内約100の茶商と取引しています。茶市場で取引されるすべての茶は、生産履歴の提出を義務付けており、提出された全てについて開示しています。平成30年度の取扱数量は1967㌧と府内生産量の約67%の流通を担いました。特に近年の抹茶ブームを受け、抹茶の原料である「碾茶(てんちゃ)」の流通量が増えており、平成16年度には378㌧であった取扱量が、平成30年度は1074㌧と全体の半分以上を占めるようになりました。また、ここ数年で緑茶の輸出量が大きく伸びる中、輸出に対応した茶生産が求められています。京都茶市場では関係機関や生産現場と連携し、輸出向け防除体系の提案・確立を進めており、輸出ニーズに対応する取り組みにも力をいれています。
歴史と伝統へのこだわり 「手摘み」の玉露・碾茶栽培
京都では他産地には少ない「手摘み」の玉露・碾茶が多く栽培されています。手間を掛けた肥培管理や昔ながらの栽培方法で生産される手摘みのお茶は、うま味成分を多く含み濃厚な味わいを楽しめます。また高品質な碾茶には、アンチエイジング機能がある「ポリアミン」という成分が多く含まれることも茶業研究所から発表されました。今後も、このような歴史と伝統を受け継いだ宇治茶を日本国内だけではなく世界中の人に飲んでもらえるよう、宇治茶業界が一体となって普及拡大に努めていきます。