県本部だより

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広島県
広島県本部

和牛専用TMRセンター設置2020年度本格稼働目指す

和牛振興と水田フル活用の実現へ

完成したTMRセンター

 

 広島県本部は、和牛専用のTMR(混合飼料)を通じた和牛の生産振興に取り組んでいます。今年3月には、TMRを製造する施設「和牛専用TMRセンター」を、和牛生産が盛んな県北地域に新設します。

 TMRは、稲WCS(稲の穀実と茎葉を同時に収穫し発酵させた飼料)や飼料用米をトウモロコシなどの飼料原料と混合・発酵させて作る、牛にとって理想的な栄養バランスを備えた混合飼料です。

飼料用米の収穫
飼養管理の労力の軽減 コスト低減の切り札に

 県の和牛生産は、小規模経営や生産者の高齢化などの課題を抱えています。TMRの活用は、飼養管理にかかる労働力の軽減や生産コスト低減によって、これらの課題を解決することが期待されています。さらに、増頭や斉一性向上により広島和牛の価値向上を図るほか、飼料用米の生産・利用拡大による水田の有効活用を進めます。

 センターを円滑に運営するために昨年3月、行政やJA、コントラクターとなる関係機関と協定を締結し、センターの管理・運営や原料供給、TMR製造、利用推進など各機関の役割を定めました。

TMRを食べる牛
小規模農家向けに20㌔の袋詰め試験

 和牛TMRの調製・給与技術については、県立総合技術研究所畜産技術センターと連携して研究を行っています。製造したTMRは、大規模農家には1個500㌔の角型包装で供給しますが、小規模農家向けには良質な発酵を促進し、保存性に優れた20㌔の袋詰め包装で供給できるよう、同センターで試験しています。

 和牛TMRセンターは今年4月に稼働し、製造したTMRは県本部の実験牧場で試験的に給与したあと、JA西日本くみあい飼料株式会社を通じて生産者への供給を始める計画です。2020年度の本格稼働を目指して製造量を徐々に増やし、最大時には1万2400㌧のTMRを製造・供給する予定です。

 県本部は今後、和牛専用TMRに「簡易牛舎整備支援」「ET産子相対取引・分譲」を加えた三本柱で、県の畜産振興に取り組む計画です。

小規模農家向けに試験を進めている袋詰包装
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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