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広報・調査部

全農グループ会社探訪 株式会社えひめ飲料

高い加工技術生かし商品開発 愛媛県産柑橘の生産者を下支え

 ポンジュースをはじめとするPOMブランド製品の製造・販売や大手飲料メーカー製品の受託製造など、幅広く飲料事業を手掛けているのが株式会社えひめ飲料です。長年培ってきた高い加工技術を生かし、安全・安心で魅力ある商品を開発。事業の基盤となる県産柑橘(かんきつ)生産者の下支えの役割を、一貫して追求しています。


ミカン価格暴落契機に発足

 えひめ飲料は、1948年に「愛媛県青果販売農業協同組合連合会」として発足しました。市場価格の暴落で商品価値を失ったミカンを有効活用し、ミカン産業の振興に寄与することを目的に1952年に果汁加工事業を開始。以降、柑橘生産者の下支えとして事業を展開してきました。青果市場へ出荷できない規格外の果実や市場価格安定のための調整果実を生産者からJAを通して購入し、ジュースや果汁に加工、販売して得た利益を、生産者へ還元することが加工事業の大きな役割でした。

 1998年に愛媛県経済農業協同組合連合会と合併し、愛媛県農業協同組合連合会となり、2003年に「㈱えひめ飲料」を設立。現在は、松山工場、東京工場、茨城工場の3工場体制で搾汁から各種清涼飲料水の製造・販売を中心に事業を展開しています。

「こだわりはまじめです。」POM製品
 
搾汁のために運び込まれた大量のミカン

 
POM製品販売から大手メーカーの受託製造も

 現在の主要事業の一つが、POM事業です。おなじみのポンジュースの他、愛媛県産や国産にこだわったPOMブランド製品を発売しています。さまざまな柑橘を素材に、果汁のおいしさや健康、なによりも安全・安心な商品の提供に力を入れています。

 各種果汁・農産加工品の製造・販売にも取り組んでいます。かつてはミカン果汁をはじめ国産果汁や、県下JA加工場で製造される農産加工品を中心に販売していましたが、現在は国産加工原料の減少に伴い、これまで培ってきた知見や加工技術を生かして一部、海外産果汁農産加工品も取り扱っています。

 また、大手飲料メーカーや乳業メーカーから各種飲料製品の製造も受託するOEM事業も展開しています。

事業強化へ容器・包材製造の体制整備

 近年の飲料業界は、容器や包材の製造技術・設備が急激に進化しており、その流れに追随しなければ生き残れない、厳しい状況にあります。こうした中、現在の飲料製造設備の主流は、工場内でボトルを成型し常温で充填(じゅうてん)を行うペットボトル無菌充填ラインとなっています。えひめ飲料ではこの設備を2014年に茨城工場、2019年に東京工場に導入し、関東2工場での製造体制を確立。これにより、一層のPOMブランド製品の収益拡大や、OEM製品の受託獲得を進めています。

柑橘の新たな価値創造、被災地・地域支援にも力

 長年にわたる試験・研究成果により、ミカンに多く含まれ、骨の良好な代謝を助け骨の健康維持に役立つといわれる機能性成分「β-クリプトキサンチン」をアピールしたミカンジュースや、認知機能(記憶力)の維持に効果が期待できる「オーラプテン」を含む河内晩柑のジュースなど、機能性表示食品の開発に積極的に取り組み、愛媛県産柑橘の消費拡大に貢献しています。

 「県外不出」として話題を呼んだ幻の「ポンジュース蛇口」は、松山空港で毎月1回、空港利用客に無料でジュースを提供し、喜ばれてきました。2011年の東日本大震災発生時には、それまで堅持してきた県外不出の掟を破り、東北の被災地に蛇口を設置。被災地の方々を少しでも元気づけたいと、ポンジュースを無料提供しました。

 また、柑橘の加工技術に関わるさまざまな知識・技術は日本のトップクラスです。ポン製品だけでなく国内で販売されている飲料等は、えひめ飲料が携わった原料が数多くあります。愛媛県の小学3年生の社会科の授業の一環で、毎年40~50校、約4000人の児童の工場見学を長年にわたり受け入れるなど、地域に根差した活動にも力を入れています。

県外不出の「ポンジュース蛇口」
 

愛媛ならではの特徴ある製品展開で消費拡大

代表取締役社長 山本 卓治氏

 近年は、原料果実も少量多品種化が進んでいますが、生産者から出荷される原料用果実は品種を問わずすべて引き取り、生産者の下支えになるという考えは、創業当時からそのまま受け継いでいます。残念ながらミカンの生産量は、1970年代ピーク時の5分の1、加工用原料果実は約20分の1まで減少し、果汁加工事業には大変厳しい事業環境となっています。厳しい環境下ですが、きよみやポンカンといった温州ミカン以外の柑橘を有効活用した「えひめ逸品柑橘シリーズ」など、特徴のある柑橘飲料を量販店へ販売、通販サイトへも愛媛ならではの製品を展開し、県産柑橘の消費拡大に努めています。


本社(松山市安城寺町)

会社の概要 (令和2年3月31日現在)
本社所在地愛媛県松山市安城寺町478
事業内容清涼飲料水の製造・販売、柑橘の搾汁、果汁農産加工品の製造、仕入、販売
設立年月平成15年4月
代表者山本 卓治(やまもと たくや)
従業員数327人(臨時、受入出向者、パート含む)

公式ホームぺージはこちら https://www.ehime-inryo.co.jp/

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