特集

特集
園芸部

全農グループブランドヒストリー(5)

生産から販売までを一貫体制で ミニトマト「アンジェレ」を全国の食卓へ

 全農オリジナルブランドのミニトマト「アンジェレ」。アンジェレ事業として、JAグループが生産から販売まで一貫して担う体制で推進しています。また、出荷規格の簡素化による選果作業の軽減や、中心等階級の契約価格での買い取りなど、生産者の持続的な農業経営を支援しています。


アンジェレ事業の開始

 アンジェレは欧州生まれで、ヘタがないデーツ型の品種。糖度が高くゼリー質が少ないため果汁が飛びにくいのが特徴です。

 国内生産が始まったのは2012年。まだ同型ミニトマトの流通量が少ない中、アンジェレの将来性に注目し、全農が種苗会社と独占契約を締結し事業化しました。

 出荷先をJA全農青果センター(株)(以下、青果センター)に一元化し、13県域、作付面積1.7haでスタートしました。当初は、ヘタのない外観が消費者に受け入れられるか懸念がありましたが、良好な食味、パリッとした食感などが評価され、順調に事業を拡大しています。

ミニトマト「アンジェレ」

 
事業の拡大と課題への対応

 2020年度時点でアンジェレは22県域で栽培され、作付面積46ha、出荷量2851tまで拡大しています。県域直販も開始し、全国に販売エリアを拡大できたことで消費者の認知もさらに進んでいます。2019年には、さらなるブランドイメージ向上のため、コンセプトやロゴを刷新しました。

 一方、作型ごとでの生産量の偏り、現地栽培指導員の不足、ライバル品種の増加などの新たな課題も生じています。全農では、(1)青果センターの販売戦略と生産振興計画との擦り合わせ、(2)トマトランドでの試験栽培に基づく指導員の育成、(3)出荷前糖度検査による品質の維持など、各部門が連携して課題克服に努めています。

ロゴを新しくしたリーフレット
 
加工業務向けへの拡販とGAPへの対応

 高評価を得ているアンジェレですが、現状は販売の大半が生食向けとなっており、加工・業務向けの供給が少ない状況です。今後の事業拡大を見通す上で、総菜や加工食品原料としての供給チャネルの構築が重要であり、販売担当各署との連携を深めていきます。また、加工・業務向けで要望が高まっている農業生産工程管理(GAP)への対応についても産地と協議を進めていきます。

 

カテゴリー最新記事

ページトップへ