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広報・調査部

【AgVenture Lab発 スタートアップ インタビュー】
みそ汁で予防医療の推進と日本食文化の継承を 株式会社MISOVATION 代表取締役 斉藤悠斗さん

 完全食のみそ汁で予防医療にイノベーションを起こしたい─。そんな思いから「(株)MISOVATION(ミソベーション)」を立ち上げ、予防医療の推進と日本食文化の継承を目指す斉藤悠斗代表取締役に話を聞きました。


厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」に基づき、特に現代人が不足しやすい栄養素を満たすようにレシピを開発
耐熱容器に移し、電子レンジで温めるだけという手軽さもポイント

 
みそ汁に着目した理由は?
栄養士でもある斉藤代表取締役

 以前から「日本で予防医療を当たり前化したい」という思いがありました。「完全食」に興味があり、みそ汁は栄養面から見ても完全食として面白いんじゃないかと考えました。また、大学時代に栄養科学科で「うまみ」について研究していたので個人的にも興味が持てるなと。手軽さ、おいしさ、栄養価を考えて、1杯で1食に必要な栄養素を摂取できる「ミソベーション」という商品が生まれました。

特徴を教えてください。

 自分自身、みそ汁は好きですが、この事業をやるまで作ったことはありませんでした。そんな人にも手軽に食べてもらえるよう、味と栄養価を意識しています。

 野菜は栄養バランスを考え8種類使用していますが、加熱に弱い栄養素もあるので、栄養素をキープするために下処理後に瞬間冷凍しています。冷凍することで野菜の持つ食感やフレッシュさを残すことができます。そして飽きずに続けられるよう、日本各地のみそ数種類を月替わりで使用しています。エンタメ要素もありますが、日本のみそ文化や歴史、各地のみそ蔵の技術や思いなども伝えたいと思っています。

JAアクセラレーターで取り組んだことは?

 全農ビジネスサポートが発売した大豆発酵食品「発酵そみファ」との出合いがありました。みそは栄養価が高いけれど、たくさん使うと塩分量も高くなってしまいます。塩分ゼロのそみファをブレンドすることで、塩分量を抑えつつ栄養価を高めることができ、マイルドな味わいになります。

 採用しているみそでもJA丹波ささやまの「丹波黒みそ」など、JAを通じて開拓したものもあります。他にも日本各地の野菜やみそを知ってもらおうとプロジェクトを立ち上げ、福井県のトマト「越のルビー」や、熊本県のビーツを使ったみそ汁をクラウドファンディングで展開しました。

今後の展望を聞かせてください。

 使用している冷凍野菜の国産比率を高めていきたい。国産冷凍野菜の流通が少なく、自社工場で冷凍加工する場合もありますが原価が上がってしまいます。冷凍野菜の規格を持っている産地があれば、ぜひ採用を検討したいです。

 ミソベーションは立ち上げて間もないブランドなので、まずは日本で認知してもらい、みそ汁を食べる習慣を定着させていきたいです。いずれはヨーロッパやアメリカなど、日本と同様に飽食の課題を抱えている国に提案したい。そして健康になるだけではなく、日本のみそ文化が国内でも海外でも盛り上がって、結果的にみそ産業の発展につながり日本のみそ蔵にも還元できるような、そんな循環型ビジネスを目指して、一歩ずつやっていきたいです。

㈱MISOVATIONのサイトはこちら
https://misovation.com

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