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経営企画部

JAアクセラレーター(第4期) 採択企業紹介(2)

 AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)は、スタートアップ企業とJAグループの事業共創の取り組み、JAアクセラレーター第4期で9社を優秀賞として採択しました。今号では2社を紹介します。


サグリ株式会社

衛星データを活用した作付け調査及び土壌分析

 同社は代表の坪井俊輔さんが2018年に兵庫県で創業したスタートアップ企業で、衛星データと人工知能(AI)の活用により、作付け調査、土壌分析、農地区画形成の作業をデジタル化することで効率化、高度化することを目指しています。

 地域農業再⽣協議会が行う作付け調査(農地および作物の現地確認、台帳記録など)に関する調査業務を、衛星データで農地の作付け状況を把握することで業務を効率化するアプリ「デタバ」を開発・提供しています。

 土壌分析では、衛星データにより土壌採取、分析、結果提供などの一連の作業を効率化・短期間化するツール「Sagri」を開発・提供し、適切な施肥設計も可能とすることを目指しています。また高解像度の衛星データをAIによる解析を通じて農地区画形成を自動化させる技術「AIポリゴン」を開発し、国内で特許を取得しています。

 今後約5カ月間にわたるプログラム期間では、上記ツールのJAグループや国内外での普及を目指して支援していきます。

サービスの特徴
衛星データで土壌分析した圃場(ほじょう)

 

株式会社TOWING

高機能ソイルを活用した農地への炭素固定が可能な次世代苗の普及

 同社は2020年創業の名古屋大学発のスタートアップ企業で、高機能ソイル※1(バイオ炭、土壌由来微生物・有機肥料で構成する培土)を用いた炭素固定が可能な苗、「宙苗(そらなえ)」 ※2を開発し、その普及を目指しています。

 生産者が普段使用している苗を宙苗に切り替えることで、苗の高機能化による土壌改良効果により短期間で良質な土壌環境(微生物・物理・化学)を構築し、生産性向上に寄与します。また宙苗の導入による農地への炭素固定効果により温室効果ガスの削減にも寄与するサステナブルな農業の普及を目指しています。現在、水稲、野菜、花での自社実証を行っており、今後、協力生産者との実証実験を予定しています。

 今後約5カ月間にわたるプログラム期間では、JAグループと協同して宙苗の実証実験や普及を検討し、宙苗を使用した収量の増加、販売数に応じた炭素クレジットの取得・販売により、生産者の所得向上に寄与するビジネスモデルの構築を目指していきます。

※1:植物の炭などの多孔体に微生物を付加し、有機肥料を混合して適切な状態で管理して製造する人工土壌の技術。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発した技術に基づき、TOWINGが実用化。

※2:商標出願中

開発した「宙苗」

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