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営農・技術センター 農薬研究室

新しい天敵資材「バンカーシート」

総合的害虫管理の基幹防除剤として期待

 食の安全と環境保護への強い関心が高まる一方、生産現場では農薬防除による薬剤抵抗性問題を受け、総合的害虫管理(IPM)が注目されています。このようなニーズに応えるべく、全農は天敵保護装置「バンカーシート」を用いたIPMの普及に取り組んでいます。

害虫数を調べる担当者とイチゴへのバンカーシートの設置状況㊤

 天敵利用は、天敵の使用タイミングが難しいことや併用可能な化学農薬が限られることが課題として挙げられます。バンカーシートは、天敵パック製剤を耐水紙で包んだものであり、気温・湿度の環境変化を和らげ、農薬や散水で天敵パックが濡れることを防ぎ、天敵が生存しやすい環境を提供することができます。また、天敵パック製剤とともに使用される天敵の産卵基質および保湿資材により、長期間にわたり天敵カブリダニが放出されるため、圃場に害虫が発生する前から設置することが可能になります。

 バンカーシートには、ハダニ類を捕食するミヤコカブリダニパック製剤を用いた「ミヤコバンカー®」とコナジラミ類、アザミウマ類を捕食するスワルスキーカブリダニ製剤を用いた「スワルバンカー®」があり、抵抗性を発達させやすい前記害虫への高い効果と化学農薬使用回数低減が期待できます。

 全農は営農・技術センターをはじめ、全国各地で実証試験を行い、バンカーシートを活用したIPMの普及拡大を図っています。

※バンカーシートは、農研機構・中央農業研究センターを中心とした農食事業(実用開発ステージ26070C)で確立された実用化技術です。

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