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【新春対談】 全農経営管理委員会 長澤 豊会長×女子プロゴルファー(全農国産農畜産物オフィシャルアンバサダー)原 英莉花さん(日本通運㈱所属)

世界へ羽ばたく逸材、さらなる飛躍を誓う

 

長澤豊会長 新年おめでとうございます。

原英莉花さん あけましておめでとうございます。

長澤会長 昨年も全国各地で自然災害があり、被災された農家の方々の苦労は大変なものがありました。原さんも試合が一部中止になったことがありましたね。

原さん はい、静岡で行われた試合ですが、2日目の土曜日が台風19号の影響で中止になりました。ゴルフの国内ツアーは毎週末に3日間、もしくは4日間全国各地を回って試合をするのですが、自然災害で被害を受けた地域も多くあって、心が痛みました。その中で各試合とも主催者やスポンサーの会社、また地域のボランティアの方たちが大会を盛り上げようと奮闘してくださって、あらためてたくさんの方々に支えられて試合ができるんだな、と感じ感謝しています。

長澤会長 一昨年プロテストに合格し、昨年は初めて1年を通じて試合に出場、念願の初優勝も果たしました。あらためましておめでとうございます。

原さん はい、ありがとうございます。ツアーの始まった3月から4月にかけてはなかなか結果を残せなかったのですが6月初めの大会でプレーオフに勝って初優勝することができました。試合の後、すぐにお祝いに来ていただきうれしかったです。

長澤会長 昨年、長丁場のツアーを終えて感じたことはありましたか?

原さん やはり、年間を通じてコンスタントに良い状態を維持することの難しさですね。初優勝後、しばらく上位を続けられたのですが、賞金額の大きくなる秋口から、なかなかうまくかみ合わずツアー後半は満足いく結果が残せませんでした。まだまだ課題山積です。

長澤会長 とはいえ、いわゆる黄金世代の中でのみならず、女子プロ全体の中でも屈指の飛距離が出ますし、20歳という若さで既にスターのオーラがあります。多くの人がそういう魅力を原さんに感じていると思いますよ。

原さん ありがとうございます。少し照れくさいですが期待に沿えるようこれからも頑張りたいと思います。

心と体のコンディション食事で良い状態にキープ

長澤会長 原さんとはご縁があって一昨年からスポンサー契約を結ばせていただき、国産農畜産物オフィシャルアンバサダーの役割を担っていただくことになりました。原さんにとって食べ物とはどんな意味を持っているでしょうか?

原さん まだアンバサダーとしてはいろいろ勉強していかなければならないのですが、まずは自分自身の心と体のコンディションを良い状態にキープするため食事はとても大切だと感じています。プロテストに合格した一昨年、夏場にかかったころから体重が落ち始めて、秋口までにベストの状態から5㌔も痩せてしまいました。体は軽くなってよく動く感じはするのですがやはり飛距離は落ちますしスタミナも続かない。その反省も踏まえ昨年はしっかり食事を取って夏場も体重をキープすることができました。そういう部分では成長できたかなと思います。

長澤会長 どんなものがお好きなのですか?

原さん 昔はラーメンとイチゴ、と答えていたのですが(笑)。やっぱり白米とおみそ汁、おかずは何と言っても焼き肉が好きです。私は体も大きいので結構食べますよ。でも試合から試合へ移動続きでシーズン中は家に帰ることもほとんどできず、ホテルや近くのレストランで外食がほとんどなんです。試合中は朝も早いし、夜はトレーナーさんに体のケアをしてもらったりで、なかなかゆっくり食事時間が取れません。

長澤会長 ゴルフは常に思考を巡らさなければ勝てないスポーツです。試合時間も数時間と長いですが、お昼ご飯とか試合の途中はどうするのですか?

原さん 朝ホテルで朝食を取っても、時によっては体というよりは脳が目覚めていないと感じることがあります。だから7時台スタートとか朝早いラウンドはちょっと苦手かな(笑)。そんな時はおむすびとか糖質を少し取ったりします。またラウンドの後半では疲労を回復させる効果のあるアミノ酸飲料を取ったりしています。前半ハーフの休憩時間はまちまちなのですがバナナなどの軽い食事を取ります。

プロゴルファーへの道開いたジャンボ尾崎さんに弟子入り

長澤会長 ゴルフを始めたのはいつごろからですか?

原さん 最近のジュニアは5、6歳から始める人も多いのですが私は少し遅くて10歳くらいからです。ボールが動く球技は全くダメで、唯一止まったボールを打つゴルフが私に合っていました。出身は神奈川県横浜市なのですが、葉山のゴルフ場をホームにして中学生のアマチュア大会などに出ていました。そこである人の目に留まって、15歳の時、千葉県のジャンボ尾崎さんのところに連れて行ってもらったんです。

長澤会長 ジャンボさんは、基本的に女子は弟子にしないのですよね?

原さん はい。最初は私も“女子はみない”と一言、言われてしまいましたが、ドライバースイングを見て弟子入りを許されました(笑)。それ以来、プロになった今も時間が空けばジャンボ邸にお邪魔して練習させていただきアドバイスをもらっています。3年前の18歳の時初めてプロテストを受けたんですが、少し自信はあったのです。でも結果は2打差で落ちてしまい悔しい思いをしました。その翌年、3月と6月のステップ・アップ・ツアーで2勝してやっと自信を取り戻せました。そして夏場の連戦で疲労はあったのですが、7月のプロテストを晴れて合格できたのです。その後もツアーで成績を残せて、去年のシード権も取れ、シーズン最後の新人戦のタイトルも取れてとても良い締めくくりができました。

2020年、世界へ羽ばたく飛躍の年に
はら・えりか 1999年、横浜市生まれ。10歳からゴルフを始める。2015年に尊敬してやまないジャンボ尾崎こと尾崎将司に弟子入り、以降、ジャンボのもと腕を磨いてきた。2018年にプロテスト合格。3月にはステップ・アップ・ツアー「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」でプロツアー初優勝。6月の同ツアー「日医工女子オープン」も制する。2019年の「リゾートトラストレディス」でレギュラーツアー初優勝を挙げた。

長澤会長 少し苦労はしたけど全体的には順調なプロ生活のスタートだったのですね。でもまだ始まったばかりです。昨年はプロ同期で同い年の渋野日向子さんが全英オープンで優勝し一躍脚光を浴び「渋子フィーバー」が起きました。原さんも負けてはいられないですね。

原さん 私もいつかは海外で活躍できる選手になりたいと思っています。一昨年初めて海外に行ってタイで試合をしましたが、いろいろ環境が違い驚きました。今年のオフはジャンボ邸で体力をつけて、海外の暖かいところで合宿をしてスキルを磨くことにしています。違う環境でも普段通り力を出せる選手になりたいと思います。

長澤会長 今年は2020年、いよいよ世界を相手に戦う準備が始まりますね。私たち全農も国産農畜産物を世界に広めていく輸出事業に力を入れています。原さんが日本の食べ物をしっかり取って海外でも活躍されることが全農にとっても大いに力になります。また全農ではお米を中心とした日本型食生活がスポーツのパフォーマンスに与える影響の研究をしており、協賛している卓球やカーリングでは食事の不便な海外での大会に対して管理栄養士さんを派遣して現地での食支援も行っています。原さんに対しても将来そのようなサポートができたらよいなと考えています。

原さん ありがとうございます。皆さんの期待に応えられるよう、皆さんに力を与えられるようなそんな選手になれるよう頑張ります。

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