持続可能な農業の実現へ 規模問わず全ての農業者を支援
地域に根ざした農林業 多彩な農産物を栽培
愛媛県のJA松山市は、道後温泉でも有名な県都の松山市や農業が盛んな東温市、松前町、標高500mを超える農林業の産地である久万高原町で、多彩な農産物を栽培しています。
平野部では、「まつやま農林水産物ブランド」に認定されている「松山長なす」や「松山一寸そらまめ」をはじめとする野菜や花きを栽培しています。島しょ部では温州ミカンや「興居島(ごごしま)レモン」、中山間部では、夏でも冷涼な気候を生かし「久万高原清流米」や夏秋トマト、ピーマンなどを生産しています。


専業・兼業・小規模向け 多様な支援を展開
JAは、農業を専業にする人、兼業する人、小規模で楽しみたい人など全ての農業者に向けた多様な支援を展開しています。
共同販売や産直市への出荷を目指す人を対象に、野菜作りの基礎知識や栽培技術を学んでもらう「農業塾」を実施。今年度、新たに8人が入塾し、ナスや白ネギ、レタスなどを栽培しています。また、新規就農者を増やそうと、2023年度には新規就農者研修センターを開設しました。ベテランの指導員がセンター長として、栽培方法や農機の使い方などを教えており、これまで2人が卒業し就農しました。
新たな作物としてサトイモの産地化を目指しており、農業者の労力とコスト削減のため、営農職員がサトイモ用マルチャーを使い畝立てからマルチ張り、肥料散布までの一連の作業を請け負う支援や、サトイモ移植機や掘り取り機、肥料散布機などを貸し出しています。


ベテラン農家の「農の匠」 技術や知識を次世代へ
ベテラン農家が栽培経験の浅い生産者を対象に技術や知識を伝える「農の匠(たくみ)」を実施しています。ナスやトマト、ピーマン、レタスなどの6部会で取り組んでおり、現地巡回指導や栽培講習会などを行い、栽培技術を底上げすることで、収量増加や品質向上につなげています。
営農指導員の圃場設け 相談できる体制を強化
今年度から営農指導員専用の圃場(ほじょう)を設けました。指導員が新品種の試験栽培や、肥料・農薬、新しい資材の施用試験などに取り組んでいます。近年の異常気象に伴って増加している病害虫の発生や作物の異変などの相談に対応できる体制を築いています。
JA松山市(愛媛県)

概要 | 2025年3月31日現在 |
---|---|
正組合員数 |
7936人 |
准組合員数 |
2万8150人 |
職員数 |
466人 |
販売品取扱高 |
21億9千万円 |
購買品取扱高 |
17億2千万円 |
貯金残高 |
3482億円 |
長期共済保有高 |
3999億円 |
主な農畜産物 |
トマト、ピーマン、久万高原清流米、伊予柑、興居島レモン、ソラマメ、シンテッポウユリ、イチゴ、白ネギ、松山長なす、エダマメ、レタス |