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経営企画部

JAアクセラレーター(第3期)  採択企業紹介(1)

 AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)で5月24日、JAアクセラレーター(第3期)の最終審査コンテストが開催され、9社が優秀賞として採択されました。今号では2社を紹介します。


株式会社Ciamo

プラン名

廃棄物で作る「光合成細菌」で持続可能な農業と水産養殖の実現

 同社は代表の古賀碧さんが2018年に立ち上げた崇城大学(熊本県)発のスタートアップ企業です。熊本県の特産品である米焼酎「球磨焼酎」の焼酎粕で光合成細菌を安価に培養し、使用するためのキット「くまレッド」の研究・開発・販売を行っています。

 焼酎粕の有効活用により焼酎生産者にとっては処理費用の低減、また光合成細菌を農業に活用することで収量増加・品質向上につながり、地域活性化に貢献可能な取り組みであることをプレゼンしました。「くまレッド」は従来製品の1/10の価格を実現し、光合成細菌を手軽で安価に農業現場で活用できます。

 今後約5カ月間にわたるプログラム期間において、さまざまな品目・地域で「くまレッド」による実証実験を行い、普及につなげたいこと、また環境破壊で深刻化する水産養殖(エビ)の現場においては、「くまレッド」とは異なる「海」の光合成細菌を培養し使用した実証実験を行う予定です。

熊本県の特産品、米焼酎「球磨焼酎」
光合成細菌培養キット「くまレッド」

 

東京ロボティクス株式会社

プラン名

自律協働ロボットで選果場の人手不足を解消

 同社は2015年創業の早稲田大学発のスタートアップ企業で、人間の生活空間で自律的に動く、人間と共存可能なロボットの実現を目指しています。創業以来、研究機関向けの最先端ロボットの研究開発に注力してきましたが、農業現場の人手不足を解消すべく、本プログラムで初めて社会実装に向けた取り組みを開始します。同社の技術力はヤマハ発動機から出資を受けるなど大手企業からも高い評価を受けており、同社の持つ深層学習技術(AIの一種)と力制御技術が、食の生産流通の現場における人手不足、特に選果場の人手不足の解決に役立つと期待され、今回優秀賞を受賞しました。

 今後約5カ月間にわたるプログラム期間では、同社の持つ技術と現場のニーズを合致させるため、選果場の現場に関するヒアリングや実際の現場での実証実験と改善を重ね、さまざまな選果場の現場へ移設が可能な自律協働ロボットを開発し、プログラム期間終了後の展開を見据えた検討を行っていく予定です。

画像認識による果物のピッキング
手先にバネがあるかのような動作で果物を潰さず扱う

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