独自栽培で高品質な「新川大根」
JAうおづは、富山県東部に位置し、「蜃気楼(しんきろう)の見える町」として有名な魚津市を管内としています。”天然のいけす“ともいわれる富山湾に面した海岸部から2000mを超える北アルプスまで、約25kmという世界でもまれな急勾配の地形が、蜃気楼、ホタルイカ、埋没林などの自然を育み、それに伴う文化や食をもたらしています。農業は水稲を中心に、野菜や果樹の栽培も盛んに行われています。

風通しと水はけ改善へ 一条高畝深層施肥農法
通常のダイコン栽培では、収量を増やすために一つの畝で2列を育てる「2条植え」を行いますが、「新川大根」は1列で育てます。また、畝は膝丈ほどの高さに作り、その底の深い部分(畦(あぜ)直下30cm)に肥料を施します。この方法は「一条高畝深層施肥(いちじょうたかうねしんそうせひ)農法」と呼ばれます。このような独自の栽培方法により、風通しと水はけが良くなります。それによって、病害虫の発生が抑えられ、農薬を少なくすることができます。また、肥料を土全体に混ぜ込むのではなく、根が伸びる先の深い部分にだけ施すことで、「ひげ根」がほとんど伸びず、表面のくぼみが少なく、つるつるの根を真っすぐに伸ばす高品質なダイコンが育ちます。

農機具センターの新築でさらに迅速丁寧サービス
農業の経営体が営農組合などとして組織化、大規模化していることで、大型機械の導入が進むなど農業の形態が変化しており、かねてよりそのことに対応できる施設が求められていました。
旧農機具センターは築42年が経過しており、老朽化も進んでいたことから、2022年12月に全農富山一級建築士事務所による設計・監理のもとで工事を進め、23年10月に同敷地内に新しく建設しました。
この農機具センターは、組合員から持ち込まれた農機具の修理・整備や点検などを行う施設となっています。農機具センターの完成を機に、より一層組合員の皆さまへの迅速丁寧なサービスを提供し、営農を強力にバックアップします。

暑い夏にはミネラル豊富な「魚津の麦茶」を
富山県は、水稲の転作作物として大麦や大豆の生産も盛んです。特に六条大麦は収穫量全国2位と、有数の産地となっています。品種は「ファイバースノウ」で統一されており、「ファイバースノウ」はその名のとおり、精麦後の色が雪のように白く、食物繊維を多く含む食用大麦です。

JAうおづでは、2015年にその「ファイバースノウ」を使用して地産地消の推進と六次産業化を目的とし、特産品を作りたいと考え、魚津産の「ファイバースノウ」を100%使用した麦茶の製造に取り組みました。半年の試行錯誤を経て、500mlペットボトルの麦茶を商品化しました。 この麦茶は、口の中に広がる香ばしい香りとコク、クセのないスッキリとした味わいが特徴です。「魚津の麦茶」としてJA購買店舗やコンビニなどで販売されており、2019年からは魚津市のふるさと納税返礼品としても出品されています。

「魚津の麦茶」で子育て支援
JAうおづでは、「魚津の麦茶」の売り上げの中から1本につき1円を魚津市の子育て支援事業に寄付しています。この販売本数に応じた地域支援の取り組みは、来年以降も続けていく予定です。このような取り組みを通じ、相互扶助の精神で地域の活性化に寄与していきます。

JAうおづ(富山県)

概要 | 2024年12月31日現在 |
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正組合員数 | 2422人 |
准組合員数 | 4148人 |
職員数 | 93人 |
販売品取扱高 | 19億5千万円 |
購買品取扱高 | 13億5千万円 |
貯金残高 | 644億円 |
長期共済保有高 | 1333億2千万円 |
主な農畜産物 |
米、大麦、大豆、リンゴ、梨、ブドウ、桃、ダイコン、ハクサイ、ネギ |