JAズームイン

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徳島県
JA阿波みよし

にし阿波伝統農耕・世界農業遺産の里で最新食品加工機材導入し6次化推進

 徳島県の西端にあるJA阿波みよしは、高知・香川・愛媛の県境に接する「四国のへそ」といわれる地域に位置します。急峻(きゅうしゅん)な山林と傾斜地畑、また吉野川周辺の平地で水稲や野菜栽培が営まれており、地域を挙げてさまざまな取り組みが行われています。世界農業遺産に認定された「にし阿波の傾斜地農耕システム」の地域でもあります。

JAによる6次化への取り組み

 同JA直営の農産市「ふれあい産直市」では、組合員と消費者のつながりの強化を図るとともに、地域振興にも役立つ加工品の開発に取り組んでいます。地域で昔から作られている「干し芋」の人工環境乾燥の取り組みでは、中核施設を同JAが整備して食品加工研究会を組織し、地域にサテライト施設を配置、食品乾燥機の管理は個別農家が担うといった、地域の参加者全体を工場に見立てた共同性を確保しました。

真空脱気装置:装置の中に水を張り、真空状態を作るとカンショやイチゴ、リンゴなどの切断面から組織の中の空気に代わり水が浸透し、加工時にシロップなどが入りやすくなる。(岡山市・大紀産業製)
 

新たな商品開発目指し新食品加工機材を導入

 加工品の開発を始めた平成29年から4年間で、「食品乾燥機」「真空包装機」、施設の電気環境を整える「高圧受電装置」、焼く・煮る・蒸すなどのさまざまな加工ができる「スチームコンベクションオーブン」を順次導入しました。令和2年は、食品乾燥機との併用で新商品開発に役立つ最新装置「真空脱気装置」(上写真)の導入に取り組んでいます。

 産直市における商品の充実として、干し芋・干し柿・干しねぎなどの品質向上と生産拡大を図り、地域の特産物として根付かせるための技術向上支援に取り組んでいます。新たな商品開発へのチャレンジとしては、徳島県立6次産業化研究施設の支援のもと、付加価値を付けた新商品(芋グラッセ・芋とリンゴのコンポート)の開発を目指しています。

 また、地域内の多様な連携による生産・販路拡大として、子会社のJAアグリみよし株式会社が、耕作放棄地解消のために栽培する青ネギを活用した乾燥ネギを持続的に生産販売するシステムとして、地域内の福祉施設との農福連携を検討するとともに、地域の流通業者と連携して都市圏への販売を試行しています。

 今後も新たな発想を取り入れ、高齢化の進む過疎地域の再生のため、JAが先頭に立って取り組みを進めていきます。

付加価値を付けた新商品、芋グラッセ(上)と地域の特産物の干し芋
 
JA阿波みよし(徳島県)
概要 令和2年3月31日現在
正組合員数 5257人
准組合員数 2593人
職員数 98人
販売品取扱高 7億2千万円
購買品取扱高 7億7千万円
貯金残高 486億4千万円
長期共済保有高 1708億5千万円
主な農産物 夏秋ナス、ナバナ、シイタケ、豆類(インゲン、エンドウ、ソラマメなど)

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