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祝!全農ET研究所「全農繁殖義塾」10周年

2026.05.18
畜産生産部

生産基盤を支える卒業生の集い、そして旅立ち

 JA全農ET研究所は牛の受精卵移植(ET)技術の研究開発・技術普及を目的とした研究機関です。同研究所では技術普及の一環として、受精卵移植師の人材育成を行う「全農繁殖義塾」制度を2016年から始めました。制度開始から10周年を迎える本年は、全国で受精卵移植師として活躍する卒業生と現役義塾生が研究所に集い、受精卵移植の現状や技術習得について意見を交わしました。


――OB、現役生が集い交流

参加者の集合写真

JA全農ET研究所と全農繁殖義塾について

 「JA全農ET研究所」は全国4か所(北海道・岩手・茨城・福岡)に拠点を持ち、1987年の発足以来、牛の受精卵移植(ET)技術の研究開発と、国内最大級の受精卵生産体制の構築を進めてきました。現在、年間約2万5500個の受精卵を供給する体制は全国トップクラスの規模を誇り、高い受胎率を実現する受精卵供給を通して農家の経営安定に貢献しています。

 ET研究所は技術普及の一環として、受精卵移植師の人材育成に力を入れており、農家後継者や将来、受精卵移植師を目指す若者たちに資格と高い技術を身に付けてもらうことを目的に、2016年から「全農繁殖義塾」制度を開始しました。10周年を迎える本制度はこれまでに27人の受精卵移植師を輩出し、全国の畜産生産基盤を担う人材として活躍しています。

廃校になった小学校を改築した繁殖義塾

10周年記念企画「全農繁殖義塾研修生の集い」

 制度開始から10周年を記念し、本年はET研究所の本拠地である北海道士幌町で「全農繁殖義塾研修生の集い」を開きました。集いには現役義塾生6人・卒業生14人・ET研究所職員が参加し、全農繁殖義塾で得た技術・経験が現場でどう生かされているかなど情報交換・交流を図りました。

 同会で行われた卒業生の取り組み発表では、全農繁殖義塾で得られたものとして「全国で通用する高度な受精卵移植技術」「全国の農家・生産基盤を担う仲間とのネットワーク・人脈」「生産者・JA・技術者など農業関係者と接することで培った人間力」が挙げられました。

 また、卒業生と在校生との交流会では、「とにかく少しでも多く実際に牛への受精卵移植にトライして経験を積むこと」「作業工程を最初から最後まで事前にイメージを持って移植を行う」「先輩技術者から指導を受けられる環境は貴重なので、分からないことはすぐに聞く」など、先輩から後輩への技術習得へのアドバイスが行われました。

参加者にエールを送る元ET研究所長・青柳敬人さん
参加者にあいさつする畜産生産部技術専任部長の谷政秀

卒業生とET研究所との連携

 第2期卒業生で同会に参加した村里慎太郎さんは、実家の長崎県で和牛繁殖農家を手伝いながら、受精卵移植師として九州エリアでの受精卵移植・技術の普及をET研究所と連携しながら行っています。村里さんは「受精卵移植は、身近に技術者が少ない地域では、気軽に相談できず、実際に活用するまでには至らないケースはまだ多い。技術のメリット(繁殖性の改善・遺伝改良の促進等)を説明しながら、普及を続けていきたい」と、農家の経営安定化への貢献について抱負を語りました。

受精卵移植師として発表を行った
第2期卒業生の村里慎太郎さん
卒業生の発表を熱心に聞く、現役義塾生と卒業生

全農繁殖義塾第8期卒業式

 同会終了後には第8期生の卒業式も実施されました。今年度卒業した上田航大さんは、高校在籍時に全農が主催する「和牛甲子園」に参加した経験もあり、高校卒業後、受精卵移植師を目指し繁殖義塾に入塾しました。上田さんは卒業後の抱負として「受精卵移植師として地元の岐阜県に戻り、JAグループと連携して飛騨牛の生産拡大に貢献したい」と意気込みを語りました。

 畜産業を取り巻く情勢がめまぐるしく変化する現状においても、JA全農ET研究所は日本の畜産・酪農生産基盤の維持発展に貢献してまいります。

卒業を迎える第8期卒業生・上田航大さん

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