特集

杉浦太陽さん × 辻希美さん 夫婦対談

2026.04.27
広報・調査部

農と食が育む家族の力

 農業や食を大切にし、家族の食卓を通じて“旬”や“命をいただくこと”を伝え続ける杉浦太陽さんと辻希美さん。5人の子育てと仕事を両立する2人に、農業の面白さ、食の可能性を語っていただきました。


――ご家庭では、畑づくりや野菜栽培もされていると伺いました。農業に関心を持つようになったきっかけは?

 杉浦さん もともと食べることが好きなのですが、子どもたちが野菜を食べなかったのがきっかけです。魚の切り身を見てこれが〝魚〟と思ってしまうように、野菜も“完成した姿”しか知らない。だから「命をいただくんだよ」というところから見せたくて、庭でプランター栽培を始めました。キュウリはほっといたらこんなに大きくなるとか、魚は頭を落として内臓を取ってから調理するとか、そういう原点を伝えるのはすごく大切にしています。

 辻さん 子どもと一緒に野菜を育てていくなかで、新しい発見がたくさんありました。成育のスピードに驚いて、すぐハマりました(笑)。朝見たときと夕方で全然違う。しなしなだった葉っぱに水をあげると一気に復活したり、オクラが上に向かって育つ姿を初めて間近に観察したり……。大人になっても知らなかったことや、“気づき”が多いですね。

――家庭菜園は食育にもつながりますね。子どもたちの反応は?

 杉浦さん 収穫した枝豆をそのまま茹でたり、ミニトマトやズッキーニを料理に使ったりすると、子どもたちの“食べる意欲”が全然違います。「自分が育てたものだ!」という気持ちは大きい。これこそ最高の食育ですよ。
 辻さん 子どもたちは本当に素直で、自分で育てた野菜は多少形が悪くても喜んで食べます。長男は、味にすごく敏感で、「今日の唐揚げはいつもと違う」とか、「ご飯の水の量が違う」とか細かい(笑)。そういうこだわりが芽生えるのも、日常で“食”に触れているからかもしれません。

――辻さんは「手作りの食事を大切にしている」と話していました。

 辻さん はい。できるだけ手作りにしています。子どもが成長すると、親がしてあげられることって本当に少なくなる。でも“ご飯を作ること”だけは続けられるし、絶対に届くものだと思うんです。反抗期でなかなか思いが伝わらず大変だった時期もありましたが、それでもご飯だけは作り続けました。「いつか“母の味”を思い出してくれるだろう」という気持ちで。
 杉浦さん 子どもたちは本当に素材の味に敏感で(笑)。でもその分、四季の移ろいにも敏感になっているように感じます。「新ジャガが出てきたね」とか「菜の花の季節だね」とか。食材を通して季節を感じられるのは、食卓が豊かだからだと思います。

――旬を感じる食卓は、家族の時間を豊かにしますね。

 杉浦さん 食卓は“学びの場”でもあります。例えば、春はイチゴを取り合い、夏になったら桃やブルーベリー、秋は「シャインマスカット」……。季節が変わる喜びを、子どもたちが自然に受け取っている。果物や野菜の旬って、実はすごく教育的なんです。
 辻さん 7人家族でも、全員がそろって食卓を囲む機会はどんどん減ってきています。部活や塾で忙しかったりして。でも、たまに全員そろうと本当にうれしいし、食卓って家族の“中心”なんだなと改めて思います。だからこそ、その時間を大事にしたいですね。

――農業や食が“心の支え”になることもあるでしょうか?

 杉浦さん あると思います。僕自身、家庭菜園は“心のバランス”を整える時間にもなっているんです。自然相手だから思い通りにならないこともあるけど、それがまた楽しい。余白の30%を“好きなこと”“興味のあること”に使うといいと思います。農業はその候補に入れてほしいですね。
 辻さん “興味があるなら一歩踏み込んでみる”は、私の人生のテーマでもあります。小さな興味から始めたブログやSNSが仕事につながり、農業も最初は軽い気持ちで触れたけど、今では大切な学びの時間です。農業は敷居が高いと思うかもしれませんが、プランターからでも十分楽しめます。

――最後に、農業や食と向き合う読者へメッセージをお願いします。

 杉浦さん 食は命の根っこです。農業に携わる方は、その根っこを支えている大切な存在。そして、旬や育てる喜びを、次の世代にも届けていってほしい。
 辻さん ご飯は家族をつなぐ力があります。大変な日もあるけれど、手作りの温度や食卓の会話は、必ず誰かの支えになる。食を真ん中にした時間を、これからも大切にしてほしいです。

辻希美(つじ のぞみ)さん nozomi tsuji
1987年生まれ、東京都出身。2000年にモーニング娘。としてデビュー。現在はタレントとして、YouTube 番組「辻ちゃんネル」などSNSで日常を発信している。
杉浦太陽(すぎうら たいよう)さん taiyo sugiura
1981年生まれ、大阪府出身。1998年にデビューし、2001年に『ウルトラマンコスモス』主演で注目される。2007年に辻希美さんと結婚、5子の父。

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