期待の赤系ブドウ「サンシャインレッド」
全国初のAI房選果機を開発し実証スタート
山梨県オリジナル品種である赤系ブドウの新品種「サンシャインレッド」は、15年の歳月をかけて山梨県果樹試験場で開発されました。大粒の赤系品種「サニードルチェ」と「シャインマスカット」を交雑し、「シャインマスカット」の特徴を受け継ぐ〝フルーツ王国やまなし〟の期待の新品種です。
「サンシャインレッド」は、2022年に「甲斐ベリー7」で品種登録。23年に「サンシャインレッド」で商標登録されました。糖度は18~19程度と高く、酸味も少なく、皮ごと食べることができます。また、口に含むとマスカット香があり、華やかな香りを感じられます。まだ出荷量が少ないですが、今年からJAタウンでも数量限定で販売を開始します。
市場における赤系ブドウの期待は高く、香りや食味の評価が高いことはもちろん、着色度合いが重要であるため、引き続き県とJAグループ山梨で連携し、栽培技術の向上や認知度アップに向けたPRや販促活動を行っていきます。

ニッポンエール「山梨県産サンシャインレッドグミ」発売
9月16日には、ニッポンエールのご当地グミシリーズで「山梨県産サンシャインレッド グミ」が発売されます。「サンシャインレッド」の華やかな香りと甘みをグミでお楽しみいただけます。

県やJAなどと実証機 1房1秒で糖度測定
全国1位のブドウ出荷量を誇る山梨県では、県や県内JA、シブヤ精機㈱、山梨県本部が協力して、全国初となるブドウを1房ずつ選果する房選果機を開発し、8月18日から実証を開始しました。
実証機には、透過式糖度センサー、色や房形を識別する人工知能(AI)カメラ、重量計測機がライン上に具備されています。フリートレーに1房ずつ載せられたブドウがこれらの計測を通過した後、糖度別などにより各排出口に仕分けられ、作業員が箱詰めします。センサーでは1房1秒で糖度を測定します。
各JAで選果された「シャインマスカット」を利用して、AIカメラで数多くの房画像のデータを蓄積し、色や房形など等級識別をAIに学習させることや、選果ラインでの作業検証などを行う必要があるため、実用化までには4、5年を見込んでいます。
食味を重視した県産ブドウの差別化・高付加価値化に加え、生産者の労力軽減、生産基盤の維持・拡大のため、将来的には生産者から直接持ち込まれたブドウをそのまま選果機に通す実証も行う予定です。

