伊賀ブランド「白鳳梨」さらに飛躍へ 環境にやさしい農業で面積も輸出も拡大
三重県の北西部に位置するJAいがふるさとの管内では、肥沃(ひよく)な土壌と豊富な水、盆地特有の寒暖差を生かし、「伊賀米」「伊賀牛」など数多くの特産品を産出しています。

無袋栽培で高い糖度 評価高まり販路広げる
主要な特産品の一つとして注目されているのが、伊賀市羽根地区で生産される「白鳳梨(はくほうなし)」。築城三名人の一人として知られる藤堂高虎が築いた伊賀上野城の別名「白鳳城」から名付けられたブランド梨です。
1948年に水田転作として始まり、白鳳梨生産組合の20戸が15.9haで「幸水」「豊水」「あきづき」を中心に栽培しています。果実に袋かけをしない無袋栽培により太陽の光をたっぷりと浴びて育ち、高い糖度となるのが特長です。
甘みの強い果実への評価は実需に浸透し、県内・関西市場を中心に出荷されるほか、輸出にも取り組み、その販路を広げています。
おいしさ+やさしさ 県や市のブランドに認定
全国的に梨の栽培面積が減少する中、「白鳳梨」は栽培面積を広げている、数少ない勢いのある産地です。同組合では若手生産者も熱心に栽培し、梨の評価や販路拡大を背景に規模拡大を進め、活気のある生産活動を行っています。
たい肥など有機質肥料中心の土づくりや減農薬栽培、2003年からは全生産者が環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業に取り組んでいます。
人と自然にやさしい生産方式で作った農畜産物を県が認定する「みえの安心食材」を取得。また、優れた商品を同市が認定する「伊賀ブランド IGAMONO」にも選ばれ、知名度を上げています。
おいしさに加え、環境にやさしい取り組みとの両輪で消費者に支持されるブランドをめざし、生産者の強い結束力とJA・関係機関との連携のもと、消費者の志向に合った栽培に挑戦しています。


JAいがふるさと(三重県)

概要 |
2025年3月31日現在 |
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正組合員数 | 1万632人 |
准組合員数 | 9768人 |
職員数 | 580人 |
販売品取扱高 | 57億円 |
購買品取扱高 | 60億8千万円 |
貯金残高 | 2843億3千万円 |
長期共済保有高 | 5746億円 |
主な農畜産物 |
米、肉牛、イチゴ、梨、ブドウ、メロン、トマト、ネギ、シイタケ、柿、アスパラガス、ナバナ |