特集

「91農業フォーラムin東北 」を開催

2026.03.23
耕種総合対策部

地域を支える新しい農業との関わり方を提案

 全農は2月25日、仙台市内で「91農業フォーラムin東北」を開催しました。宮城県内を中心に予定募集人数をはるかに上回る参加申し込みがあり、個人(専業主婦、パート・アルバイト)、企業、団体、JAグループ関係者ら約500人が参加しました。


 近年、各地域で農業の労働力不足が喫緊の課題となっていることから、農業への労働力支援の取り組みが安定的な農業生産につながることを広く一般消費者に理解してもらい、“地域農業のパートナー”として参画いただくきっかけづくりとするため、「91農業」をキーワードにフォーラムを開催しました。

 「91農業」とは、生活の中の少しの時間、週末の休暇、都合の良い日に、都合の良い場所で、いま働く場を求めている人と、働き手をつなげる新たなスタイルです。

 フォーラムでは情勢報告として、東北営農資材事業所の岡本雅至課長が、労働力不足の現状や東北各県における労働力支援の取り組みを紹介しました。

まず生産者を訪ねることから ——中田英寿氏

 特別講演では、元プロサッカー選手で現役引退後は全国47都道府県を巡り、日本の伝統文化・産業を発信する「にほんもの」プロジェクトを推進する中田英寿氏が登壇しました。中田氏は2025年から農水省と連携し、「農業×スポーツ」プロジェクトにも取り組んでおり、これまでの自身の経験をもとに農業の魅力と可能性について農業ジャーナリストの小谷あゆみ氏を聞き手に講演しました。

 中田氏は、「農業のことを消費者がもっと考えないといけない。現場と消費者をつなげることが自分にできる役割」「農業もスポーツ同様、消費者が“食べる”にとどまらず、“応援する”ことで自分たちとの関わり方を広げる必要がある」と述べました。最後に、労働力支援の一歩を踏み出すための方法として「まずは自分の地元を知ることが一番。近くの生産者を訪ねることから始めてみてほしい」と呼びかけました。

特別講演を行う中田英寿氏(右)と聞き手の小谷あゆみ氏

農作業支援を機に6次化商品 ——日本航空

 3つの事例報告では、日本航空(株)がサクランボの労働力支援をきっかけに農を起点とした事業展開を行い、6次化産品として「山形県産さくらんぼクラフトラガー」の開発・販売まで行った事例を紹介しました。

 JAふくしま未来は、職業紹介事業の一環として地元郵便局との連携による柿やリンゴの収穫作業を支援する取り組み、(株)そうしんアグリは兵庫県での農作業受委託事業についてそれぞれ報告しました。

 続いて、事例報告者3人と山形県本部職員は、小谷あゆみ氏をコーディネーターに迎え、「地域農業を支える連携の在り方」についてディスカッションを行いました。

 ディスカッションでは(1)地域を越えた企業の労働力支援(2)地元地域を支える企業の労働力支援(3)一般の方と農家をつなぐ立場としての労働力支援と三者三様の立場——それぞれの視点から活発な意見が出され、現場の声をフォーラム参加者に伝えることができました。

ディスカッションをする登壇者
開会あいさつをする
全農耕種総合対策部 鈴木部長
事例紹介をする
日本航空(株) 若林輝樹氏
事例紹介をする
JAふくしま未来 佐藤剛課長
事例紹介をする
(株)そうしんアグリ 岩田久宏常務取締役

労働力支援が経営規模拡大に ——生産者・軽部賢太氏

 最後に、山形県内でサクランボを生産する軽部賢太氏が、生産現場の労働力不足の現状や自身が労働力支援事業を活用して経営規模の拡大につながった経験から、支援いただいた方への感謝の意を伝えました。そして、参加者に対して「今回のイベントをきっかけに、少しでも多くの方に農作業支援の現場に入ってきていただきたい」と熱いメッセージで呼びかけました。

 今回、参加者の9割近くが「農作業の経験がある」、もしくは「取り組んでみたい」という方で、事後アンケートでは「フォーラムの内容に満足した」「食や農業にさらに興味を持った」「農作業支援に取り組んでみたい」との意見も多くいただきました。

 今回のフォーラム開催もふまえ、これから一人でも多くの方に農業労働力支援に参画していただけるよう、支援体制の構築に取り組んでいきます。

クロージングメッセージを行う
軽部賢太氏(生産者)

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