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栗産地振興へ複合的に支援 剪定士が指導、園地の仲介も

2024.10.07
JAひがしみの (岐阜県)

 岐阜県南東部の中津川市、恵那市を含むJAひがしみの管内は銘菓「栗きんとん」で知られ、県内の栗栽培面積の約半分を占めるなど、古くから栗の栽培が盛んです。
 管内の栗生産者185戸で組織される東美濃栗振興協議会の10a当たりの平均収量は、全国平均の約2倍の200kg。中でも、低樹高・超低樹高栽培による大玉で高品質な栗を出荷する超特選栗部会は、地元菓子店との契約出荷により安定経営を実現し、産地の維持・振興に大きな役割を果たしてきました。

JA管内の中津川市で行われた全国クリ研究大会現地視察

 

 

 

 

 

 

 

 

 

栗剪定士105人を認定 レベルに応じて学習会

 高齢化や後継者不足の課題に対してJA、同協議会、行政は2006年に「東美濃クリ地産地消(商)拡大プロジェクトチーム」を結成。10年には栗剪定(せんてい)士認定制度を創設し、これまで105人が認定を受けました。制度創設により、剪定作業に自信がない協議会会員の剪定技術の向上や、各地域の栗剪定士への作業受託による栗園の維持にもつながっています。
 栗栽培に興味のある人に対しては、1日で栗農家の年間作業のイメージを学べる講習会を開催しています。本格的に栗農家を目指す人に対しては、年間6回のチャレンジ塾で実践的な学びの場を提供しています。さらに栽培希望者に対して、担い手のいない栗園を仲介する「園地流動化」の取り組みも行っています。

栽培希望者に対する講習会も充実

 

 

VRでも剪定技術を学習 オープンチャットで相談

 JA、同協議会、県の恵那農林事務所は、栽培技術をVR(仮想現実機器)やタブレットで学習できるシステムを共同開発し、協議会会員に無料で提供しています。また、同協議会の青壮年部では、栗について気軽に相談できるLINEのオープンチャットを運営しており、栗の木の画像をアップして剪定について意見を求めたり、害虫の発生状況を共有し、経験の浅い生産者に防除を呼びかけたりするなど活用されています。
 こうした取り組みに加えて、契約出荷栗の単価交渉や渋皮がぽろっとむける品種「ぽろたん」のブランド化販売にも力を入れ、農業者の所得増大に向け取り組んでいます。

実際に手を動かしながらVRで作業を体験
VRでの剪定作業体験を無料で提供

 
ブランド化に取り組む「ぽろたん」
 
 
 

JAひがしみの(岐阜県)

概要

2024年3月31日現在

正組合員数 1万8860人
准組合員数 1万4054人
職員数 309人(常雇員含め523人)
販売品取扱高 52億5603万円
購買品取扱高 58億4145万円
貯金残高 2512億2891万円
長期共済保有高 5030億5229万円
主な農畜産物

米、飛騨牛、夏秋トマト、
夏秋ナス、牛乳、タケノコ、
栗、こんにゃく芋、スイートコーン、
ジネンジョ、黒豆、イチゴ、
菌床シイタケ、ブロッコリー、西方いも ほか

 

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