【Web限定記事】「JA営農経済事業支援」にかかる全国説明会を開催
導入JAで業務効率化や農業生産振興に成果
全中、農林中金、全農の3連は6月25日、「JA営農経済事業支援の取り組み」に関する全国説明会(Web)を開きました。説明会には全国から、中央会系統64人、経済系統54人、信用系統59人、JA4人の計181人(35県域)が参加しました。
全中、農林中金、全農が連携 JA営農経済事業支援の取り組みを紹介
全農は農林中金、全中と連携し、2025年からJAを取り巻く環境変化に対応した総合支援を実施しています。全農と農林中金は東京・JAビルに「JA支援全国サポートチーム」を設置し、専任職員による支援体制を構築、両者の知見を融合した一体的な支援を推進しています。
支援は(1)施設最適化(対象:米麦共同乾燥調製施設)(2)業務効率化(効率化から成長戦略策定)(3) 生産振興支援(4)JA営農経済事業活性化プログラム(JA営農経済事業課題全般に対応)――の4つのテーマを中心に、現地派遣チームがJAおよび県域と一緒になって、経営課題を抽出・整理し、実行計画策定および収支改善に向けた取り組み支援を行っています。

JA支援全国サポートチームの支援と成果を説明
説明会は、全国3連が連携して進めてきた本支援の昨年度の実績・成果を共有することを目的に実施したものです。営農経済事業を取り巻く環境が変化する中、各組織が一体となって取り組んできた支援内容や、その具体的な成果について説明しました。
―支援内容と成果について―
(1)業務効率化の取り組み
全国的に減少傾向にあるJA営農経済職員数ですが、一方で組合員や部会対応などを含めるとまだまだ紙やFAXをベースにした非効率業務も多く存在しています。
当取り組みでは対象となる職員に業務量調査・インタビュー等を実施し、具体的な業務改善施策を策定し進捗確認をすることで、職員の減少から始まる負のスパイラルを食い止め、創出したリソース(時間・人工等)を営農経済事業における成長分野に再配分することを目標としています。
昨年度は2JAが本支援を導入しましたが、例えば、そのうちの1JAでは業務量調査(営農・経済全職員)により効率化余地のある課題を特定し、解決策として10事業11施策により7.2万時間(約39人役)の創出が期待される実行計画書を策定しました。当該JAはこの創出した人工・時間を「組合員の元へ出向く体制の強化」などの重点分野に再配分する方向で進めています。
導入JAにおいては、「課題解決に向けたスケジュール化、体系だった課題整理、各事業でどの程度人・時間がかかっているのか定量的に可視化」などを行うことにより、JAの業務効率化を後押しすることができました。
(2)生産振興支援の取り組み支援
高齢化による農業者人口の減少や気候変動に伴う生産の不安定化等の影響により、農作物の生産面積や生産量は減少を続けており、各産地における農業生産基盤の維持が急務となっています。
当取り組みでは、JAが策定した「生産振興計画」等の実践上の課題を可視化し、その解決に向けた生産振興支援策の策定・実証・実践サポートを通じて、JAが掲げる計画の達成を支援します。
昨年度は2JAと1県域が本支援を導入。導入した2JAでは生産振興対象品目の生産者をそれぞれ+25人、+42人と増やすことができました。また、導入した1県域では生産振興対象品目の面積を拡大することもできました。
導入JA管内の生産部会長からは「JAが部門の垣根を越えて、地区の生産振興を真剣に考えてくれた」、導入県域からは「導入した結果、県内で横展開できる生産振興スキームができた。今後、他JAや他の品目でも活用していきたい」などの意見が出され、本取り組みを通じて部会・JAの関係性向上や県域版の生産振興スキーム作成を後押しすることができました。
(3)施設最適化の取り組み支援
全国のJAの米麦共同乾燥施設(ライスセンターやカントリーエレベーター)は、老朽化の進行による維持・更新費用の増加、米の生産量減少にともなう稼働率の低下によって施設収支は悪化し続けており、再編・合理化の必要性は増しています。
当取り組みでは、「米麦共同乾燥施設」を対象として、JAの経営・財務に与える影響や産地の将来像を踏まえ、JAの施設最適化構想を具体化することで、「継続可能な施設運営」「需要に応じた施設配置・投資適正化」を目指し、ひいては地域農業基盤の維持を目標としています。
具体的には分析、課題整理、JA最適化構想案の策定支援、JA内の合意形成のサポート等を通じ、組織決定までを支援します
昨年度導入した2JAからは、「全国サポートチームの支援があったことでな施設再編の道筋をつけることができた」「各種数値分析や根拠資料作成など強力なサポートがあったことで再編案の作成を行うことができた」などの意見が出され、本取り組みを通じてJAの施設再編方針の明確化および組織決定を後押しすることができました。
(4)JA営農経済事業活性化プログラム
農家の高齢化や担い手の減少、資材・エネルギー価格の高止まり、社会情勢の不透明化等により、農業を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあります。
こうした中、全国のJAにおいては、従来以上に営農経済事業の収支改善が求められており、当プログラムは、県中、経済連もしくは県本部、信連もしくは農中支店の県連チームと、全農本所と農中本店の全国連チームが「ワンチーム」を結成し、約14週間にわたり、常駐し支援します。
営農経済事業が抱える課題に対し、課題の定量化・構造化、解決策の策定、進捗管理体制の構築等の支援を実施し、JA営農経済事業の収支改善実現(経営基盤強化)ひいては生産者所得向上を目指します。
昨年度導入した2JAからは、「部門別課題が明確化され、事業利益改善目標額に基づく実行具体策を計画化できた」「JAの現状と課題を深く認識させられ、JA役職員が解決策に真剣に向き合うきっかけとなった」などの意見がだされ、本取り組みを通じてJAの経営課題の見える化およびJAの事業改革に対する意識向上を後押しすることができました。
全農は、引き続き全中や農林中金との連携を強化し、3連一体となって、JAの営農経済事業の課題解決と持続的な発展に向けた支援を一層推進していきます。





