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全農物流(株)

モーダルシフト拡大へ イチゴ試験輸送

JAさがの協力で冷蔵コンテナと振動除去技術を実証

 全農と全農物流(株)はJAさがと協力し、鉄道冷蔵コンテナ((株)丸和通運所有)と輸送時の振動除去技術を組み合わせたイチゴ輸送の実証試験を2月に行いました。


 青果物を産地から消費地に届ける現場では、ドライバー不足や残業時間規制厳守化(2024年問題)により「運べないリスク」が顕在化しており、解決策としてトラックから船舶や鉄道へ転換するモーダルシフトが注目されています。

 今回は、これまで鉄道輸送に不向きとされていた軟皮果実のイチゴにおいて、鉄道クールコンテナを活用したモーダルシフトの実証試験に農水省の補助を受けて取り組みました。イチゴは保冷機能を有するエアサスペンション付きトラックなどにより輸送されていますが、試験では鉄道冷蔵コンテナと防振パレットを組み合わせ、トラックと同等の納品リードタイムと品質を目指しました。

 また、複数の積載パターン(1)防振パレットへの積載(2)プラスチックパレットへの積載(3)バラ積み――を行い、輸送時の振動が貨物に及ぼす影響に係る比較試験も行いました。

 2月20日夕方に佐賀県を出発、21日深夜に東京都大田区に到着しました。輸送面では、産地から消費地までの幹線輸送を鉄道に切り替えた場合でも市場3日目販売が可能であることを確認。また、商品品質面では、防振パレットへの積載が品質保持に一定の効果があることが確認できました。

 鉄道コンテナ輸送は、遠方産地から消費地への小ロットの農産物輸送において効率的な手段です。この実証試験結果からも、冷蔵コンテナと振動除去技術の組み合わせにより鉄道輸送のさらなる可能性が感じられる結果となりました。

佐賀県の産地からイチゴ積み込み
防振パレット(左)とプラスチックパレット(右)への積み付け

卸売市場に到着したイチゴ「いちごさん」のケース

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