特集

再生二期作の技術確立を目指して

2026.09.14
耕種総合対策部

品質向上へ栽培体系を改善

 全農では埼玉県幸手市で、水稲品種「ZR1」を活用した再生二期作の実証に取り組んでいます。昨年明らかになった課題の改善を目指し、本年は移植時期や施肥体系を見直しました。今回は一期作目の結果と二期作目に向けた取り組みを紹介します。


 全農は、温暖化によって変化する栽培環境に対応するため、埼玉県幸手市で水稲の再生二期作の実証を進めています。再生二期作とは、一度収穫した稲の切り株から発生するひこばえを再び育て、二回目の収穫を行う栽培技術です。ポイントは「一回目の収穫で高刈りすること」です。

「ZR1」で実証、二期作目195kg/10a

 昨年度は、農研機構と共同育成した水稲品種「ZR1」を用い、自脱型コンバインを用いて地際から30cmで実証しました。その結果、一期作目では656kg/10aの収量を確保し、二期作目は195kg/10aとなりました。自脱型コンバインでも再生二期作が可能であることが分かりましたが、二期作目は登熟期間が不足したため未熟粒が多く発生し、品質面では課題が残る結果となりました。
 こうした結果を踏まえ、本年度は二期作目の品質向上を目的に栽培体系を見直しました。具体的には、移植時期を前倒しすることで一期作目の収穫を早め、二期作目の登熟期間を十分に確保することを狙っています。また、追肥量を見直して籾数を適正化し、一粒一粒の充実度を高めることで品質向上も目指しています。

BS資材使用して収量、品質を検証

 また、本実証では植物細胞に内生し、空気中や土壌中の窒素を固定し、栽培期間を通じて作物にアンモニア態窒素を供給するバイオスティミュラント(BS)資材「エンビタ」を活用した区を設置し、その効果を確認しています。7月上旬時点では期待通りの茎数や籾数を確保しており、生育はおおむね順調に推移しました。エンビタ区では茎数や葉色(SPAD値)の向上も確認されており、今後収量や品質への影響を検証します。
 8月18日に一期作目の収穫を実施し、自脱型コンバインを用いて地際から30cmの高さで収穫できました。今年度も600kg/10aを超える収穫量を確保できました。今後は追肥を施し、9月中旬にカメムシ防除を予定しています。二期作目の収穫は11月中旬を予定しています。
 本技術は、増収だけでなく、将来的な食料需給の変動や異常気象などに備えた生産技術の選択肢を確保することにもつながります。二期作の実施にあたっては、地域の収穫時期と異なることから、収穫物の取り扱い(集出荷対応、販売可能か、銘柄はどうするのかなど)について事前にJAと確認してください。

刈り取り前の圃場
刈り取りの様子
刈り取り後の圃場

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